フェルメール

今月初め、宮城県美術館に『フェルメールからのラブレター展』を観に行ってきました。フェルメールの代表作3点と17世紀オランダ絵画などの作品を集めた展覧会です。皆さんご存じのとおり、フェルメールは17世紀オランダを代表する画家でありながら、現存する作品は30点余を数えるにとどまるため、展覧会の開催が社会的にも大きなニュースになるほどです。
今回公開されたフェルメールの作品は、「手紙を読む青衣の女」「手紙を書く女」「手紙を書く女と召使い」の3点でした。中でも「手紙を読む青衣の女」は、今春に修復を終えたばかり。作品自体が日本初公開であるばかりか、修復後オランダ本国に先駆けて公開されたこともあり、特に注目されていたものです。
展示された作品は、どれも鮮やかな色とまばゆい光を放ち、何百年の時を経ているとは信じられないほど美しい輝きを保っていました。

他に興味深かった展示品は、17世紀当時に書かれた『ラブレターの指南書』。告白の仕方、上手な断り方などが解説付きで載っているのです。オランダは、17世紀のヨーロッパで最も識字率の高い国だったこともあり、個人の気持ちや強い感情を表現できる手紙が普及し、人々のコミュニケーションのあり方を一変させたとのこと。
ただし、当時の郵便事情から、アジアを航海中の夫や恋人へ送った手紙の返事が届くのには、2年もかかったそうです。

フェルメール展を観たあと歩いた冷たい雨降る仙台の街は、全国から寄せられた温かい応援で溢れていました。
「絆」という言葉、「きずな」と書くと3文字、漢字で書くと11画。先日の『天声人語』で読み解かれたこの秘密、単なる偶然か、それとも・・・。

来年こそは素晴らしい年になりますように。
心からお祈りして、今年最後のブログとさせていただきます。

 

今朝のお供、
SEKAI NO OWARI(日本のバンド)の曲「スターライトパレード」。
一年の終わり、素敵な曲に出会えたことを嬉しく思います。

(佐々木 大輔)