(当事務所の取扱業務)
① 「刑事告訴状・告発状」等検察庁へ提出する書類の作成
それらの書類作成事務の相談
② 「告訴状・告発状」・「ストーカー行為警告書」・「児童虐待防止申立書」
等警察署へ提出する書類の作成代理
提出手続の代理
警告書等作成の相談
③ 「DV防止法に基づく地方裁判所への保護命令申立書」の作成
保護命令申立書作成事務の相談
(目次)
(1) 犯罪
(2) 刑事告訴状
(3) 刑事告発状
(1) 犯罪
昨今、日常生活の中で、下記のような犯罪がたびたび惹起されています。
① 一般家庭においては
暴行罪・傷害罪(夫婦間のDV等)・窃盗罪(泥棒に入られた)・強盗罪・私印不正使用罪(印鑑の不正使用等・、私文書偽造罪(無断で親を連帯保証人とする契約を結んだ等)等
② アパートの賃貸借においては
借主が家賃を支払わないため、家主が勝手に借主の室内に入って、借主の所有物を撤去してしまった場合は、住居侵入罪、窃盗罪等
③ 会社等企業においては
従業員や会社役員の横領罪、背任罪 、私印不正使用罪等
④ 義務がないことを強要された場合は
強要罪
⑤ 貸金返還の権利があっても、執拗にその返還請求を強要した場合は
脅迫罪、恐喝罪等
* 民事上の請求においては、自力救済が禁止されているので、お金の借主がその返還に応じない場合は、貸主は、裁判を提起して勝訴判決を得た上で、国の機関により強制執行をする方法にて貸金の回収をすることになります。
⑥ 犯罪を犯していないのに告訴・告発された場合は
虚偽告訴罪
⑦ 過去に、恋愛関係にあった人から執拗なストーカー行為を受けた場合は
暴行・傷害等の犯罪につながる可能性があります。その場合、警察署に対しストーカー行為警告書を提出し、警察の保護を受けることが賢明です。
・ 上記のように、家庭や会社等において、日常、様々な刑法上の犯罪が惹起される可能性があります。
・ しかしながら、刑法の条文に該当したからといって、直ちに犯罪が成立するかといえば、そうではなく、窃盗罪の構成要件に該当しても親族間の行為では、刑が免除されます。
・ また、告訴や告発が訴訟条件となる犯罪(例えば、器物損壊罪等)もあります。
・ なお、安易に告訴し、その内容が告訴に該当しない場合は、告訴した者は「刑事上は、虚偽告訴罪」に処せられ、「民事上は、損害賠償請求の対象」となりしますので、告訴・告発は、慎重にしなければなりません。
(2) 刑事告訴状
ア 告訴の意義
告訴とは、告訴権者(被害者その他一定の者、刑事訴訟法230条~234条)が捜査機関(検察庁・警察署)に犯罪事実を申告し、その訴追を求める意思表示のことです。
* 訴追の意義
検察官が刑事事件につき、公訴(刑事事件に関して検察官が起訴状を提出して裁判所の審判を求めること)を提起し、これを維持することです。
イ 被害届と告訴状の相違
被害届は、犯罪事実の申告にとどまり、訴追を求める意思表示が含まれていないので告訴とはいえません。
ウ 告訴権者
① 被害者(刑事訴訟法230条)
② 被害者が未成年者の場合は親権者、成年被後見人の場合は成年後見人
③ 被害者が死亡したときは、被害者の配偶者
④ 死者の名誉を毀損した罪については、死者の親族又は子孫
エ 告訴の手続
検察官又は司法警察員に、「書面又は口頭」でしなければなりません。
・告訴が口頭でなされたときは、検察官又は司法警察職員が調書を作成します。
オ 告訴の効力
① 非親告罪
捜査の端緒となるに過ぎません。
② 親告罪
告訴がなければ、検察官は公訴を提起することができません。告訴なしで公訴が提起されても、その公訴は棄却されます。
(理由)
親告罪については、告訴が訴訟条件だからです。
カ 告訴不可分の原則(下記①、②を合わせた意味です。)
① 告訴の客観的不可分
犯罪事実の一部に対して、告訴又は告訴の取消がなされたときは、その効力は犯罪事実の全部に及びます。
② 告訴の主観的不可分
共犯者の一人又は数人に対してなされた告訴又は告訴取消の効力は他の共犯者に対しても及びます。
(3) 刑事告発状
ア 刑事告発の意義
犯人・捜査機関・告訴権者以外の者が、捜査機関に対し犯罪事実を申告し、その訴追を求める意思表示です。
イ 自首、告訴、告発の相違
① 自首
犯人が自ら犯罪事実を申告するものです。
② 告訴
告訴権者にしかできません。
③ 告発
誰でもできます。
ウ 告発の効力
① 一般の私人にとっては、権利にすぎません。
② 国家公務員又は地方公務員にとっては、義務となることがあります。
③ 一般的には、告発は捜査の端緒にすぎませんが、明文の規定(例:独占禁止法、公職選挙法)によって、若しくは条文の解釈(例:税の犯罪、議員証言)によって、訴訟条件と解される場合があります。
エ 告訴不可分の原則の準用
告発又はその取消についても、告訴不可分の原則が妥当します。