この度の大雨により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧と皆様の心身のご健康をお祈り申し上げます。
記録的な大雨から2週間。判明しているだけでも秋田市内では住宅被害が2400棟以上、そのうち床上浸水が過去最多の1800棟以上とのことです。
私が通勤で使っている地下トンネル秋田中央道路も冠水し、本日現在も通行できない状況にあります(8月1日からは片側一方通行が開始されるとのこと)。
昨年7月の当ブログを読み返してみると、『夏本番』というタイトルで、星新一著「おーいでてこーい」(『ボッコちゃん』収録)を引いて、異常気象について書いていました。
昨年も全国的に35度を超える猛暑日が続きましたが、今年は昨年以上に暑い日が続いています。
先日NHKのニュースで、今月(2023年7月)は観測史上最も暑い1か月となる可能性が高いと報道されていました。世界の平均気温が最高を記録したのは2019年7月の16.63度でしたが、今月は23日までに16.95度となっていて、記録更新は確実とみられています。
国連のグテーレス事務総長も記者会見で、「地球全体にとっての大惨事であり、人類の責任であることは明白だ。地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が訪れた」と強い危機感を示しており、その上で「われわれはまだ最悪の事態を食い止めることができる」として、対策によりいっそう尽力するよう訴えました。
世界の温室ガス排出量の8割を占めているのがG20(主要20か国)。日本は、温室ガスの大部分を占める二酸化炭素の排出量が世界で5番目に多い国となっています(2021年度)。
秋田県沖で進む洋上風力発電事業。脱炭素の切り札として期待されています。
秋田県が脱炭素のロールモデルとなることができるか。
状況は待ったなしです。
今朝のお供、
U2(アイルランドのバンド)の『SONGS OF SURRENDER』。
(司法書士 佐々木 大輔)
音楽, 秋田
No. 231
先月今月と、続けて「あきた芸術劇場ミルハス」に行く機会がありました。
先月は青山学院大学陸上競技部原晋監督の講演会と司法書士制度150周年記念イベント(こちらには司法書士として運営に参加)。
そして今月は、念願かなってようやく演奏会を大ホールで聴くことができました。
読売日本交響楽団の演奏会で、モーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」序曲に始まり、メインがドヴォルザークの交響曲第9番「新世界から」という(昭和の香り漂う?)王道のプログラム。
しかし、当夜の真のメインプログラムは、前半に演奏されたガーシュウィンのピアノ協奏曲でしょう。
ソロを務めるピアニストは角野隼斗さん。
東大出身という異色のピアニストで、YouTubeでも“かてぃん”の名で活動し、その名を広く知られたピアニストです。
と書いてはみたものの、恥ずかしながら私は角野さんのことを最近まで存じ上げず、2021年のショパン国際ピアノコンクールを追ったドキュメンタリー番組を観て初めて知りました(角野さんはセミファイナリスト)。
会場には角野さんお目当てと思われる若い方々もたくさんおられたようで、クラシックの演奏会独特のしかつめらしい雰囲気はあまり感じられませんでした。
さて、肝心の演奏ですが、これが本当に素晴らしかった!
生粋のクラシックピアニストではあのような演奏にはならなかったんじゃないかなあ。
オーケストラも大奮闘。この手の曲は日本人にとって最も苦手とするところと思いますが、指揮者、ピアニスト、そしてオーケストラが一丸となって成功させようとする気合い、難曲に挑戦するスリル、音楽を奏でることへの純粋な喜びが伝わってきました。
予習と称して手持ちのCDを聴き込んで臨んだ演奏でしたが、第1楽章終結部は生で聴くとこんなにも迫力があるのかと興奮しましたし(思わず拍手しちゃった方々の気持ちもわからないではない)、第2楽章では高層階からニューヨークの夜景を眺めているかのような美しさにうっとり。第3楽章で角野さんはカデンツァに同じガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」を盛り込むなど遊び心も満載。
「なんて素敵な曲なんだろう」と曲そのものの良さを存分に感じることができた演奏でした。
あれ、そういえばオーケストラのチェロパートに遠藤真理さんもいらっしゃいましたよね?
これらの演奏を見事にまとめ上げた29歳の若き指揮者松本宗利音さんについても触れないわけにはいきません。松本さんは珍しい名前の方ですが、なんと往年の名指揮者シューリヒトの奥さんが名付け親なんだとか。
指揮姿は若々しく、これからの成長を期待したい部分もありましたが、指揮者とオーケストラが互いに敬意を払い良好な関係を築いている様子が演奏からもよくわかりました。
その名に相応しい指揮者として飛躍されることを楽しみにしています。
最後に。ところどころ目をつぶり視覚からの情報を閉ざして演奏を聴いてみたところ(寝ていたわけではありませんよ。生音とオーディオで聴く音との比較です)、我が家のオーディオによる再生音も(もちろん生音には及ばないものの)なかなか悪くないな、と思えたこともまた収穫でした。
今朝のお供、
PINK FLOYD(イギリスのバンド)の『The Piper at the Gates of Dawn(夜明けの口笛吹き)』。
(司法書士 佐々木 大輔)
秋田市文化会館が9月30日をもって閉館しました。
思い出たくさんの文化会館。
その中でも特に印象に残っているイベントをいくつか思い出してみます。
まずひとつ目は、イングヴェイ・マルムスティーン(スウェーデン出身のギタリスト)のライブコンサート(1994年)。
高校1年の3月でした。
発売されたばかりのCDアルバム『THE SEVENTH SIGN』に伴うツアーで秋田に。
しかし先行販売ではチケットを入手できず、一般販売に最後の望みをかけ、真冬の朝4時、友人が秋田駅ウィロードのプレイガイドに並んでくれたのです。
おかげさまで私の分も含め4枚のチケットを無事入手。友人4人で仲良く観ることができました。
終演後、文化会館横の道路に多くのファンが集まって名残を惜しんでいると、イングヴェイが何度も楽屋の窓から顔を出し、ギターピックやライターなどの私物を投げてくれたのもいい思い出です。
そんなことをしているうちに帰宅時間が遅くなり、親に怒られたこともいい思い出・・・かな。
ふたつ目はSKID ROW(アメリカのバンド)のライブコンサート(1995年)。
高校3年の6月でした。
この時は、友人が親御さんの仕事の関係で取ってくれたチケットで(要はコネ?)、前から5列目くらいの席で観た記憶があります。
いつも友人頼みという他力本願な私。持つべきものは友ですね。
そしてライブ翌日、秋田ビューホテル(現ANAクラウンプラザホテル秋田)で私の親戚の結婚式があったのですが、同じホテルにSKID ROWのメンバーが宿泊していたため、ロビーでメンバーと会うことができたのです。
残念ながらヴォーカルのセバスチャン・バックと会うことはできませんでしたが、ドラムのロブ・アフューソ(こうしてすぐに名前が出てくるあたり、青春時代の記憶ってすごいと思う。)とは握手もしてもらいました。
そういえば足を怪我していて松葉杖をついていたなあ。どうやってドラムを演奏していたんだろう。
もうひとつは、藤原歌劇団でヴェルディのオペラ『椿姫』を観たこと(1998年)。
20歳の9月でした。
この前年にクライバー指揮のCD『椿姫』をきっかけにオペラに開眼し、あわせてゲオルギューが主役を歌うショルティ指揮コヴェントガーデン王立歌劇場の映像で『椿姫』に夢中になったことは、以前当ブログでも触れましたが、ついに『椿姫』の生舞台に触れることができたのです。
幕が開くと同時に押し寄せる合唱の圧力や、ピアニッシモでも会場の隅まで届くヴィオレッタの声。CDで聴いている時には気づかなかった迫力や美しさにとらわれて、観劇後数日間は夢見心地で過ごしていました。
幕切れの演出が慣例と違うものであったことから、開演前(終演後?)に演出家が、当の演出について解説してくれたことはぼんやり覚えています。
さて、これからは「あきた芸術劇場ミルハス」。
文化会館と県民会館をあわせて新たな文化芸術拠点となるホールです。
楽器と同じようにホールも育つもの。
ただし、ホールがより良く育つためには、県民の文化芸術度の成熟も必要かと思います。
今は開館記念のご祝儀として多くの優れた公演が催されていますが、“新しもの好き”と言われる秋田県民が飽きて関心を示さなくなれば、演者もまたしかりです。
中身の伴わない豪奢な箱物だけが残るようなことにしてはなりません。
素晴らしい公演とともにホールが育つ過程を見続けられることを楽しみにしています。
今朝のお供、
Måneskin(イタリアのバンド)の『Teatro d’ira: Vol. 1』。
イタリア語で歌われるロック。違和感なし。1曲目から駆け抜けること30分弱。久しぶりに若いバンドに心が躍りました。
(司法書士 佐々木 大輔)