12 供託手続

(当事務所の取扱業務)

① 供託書の作成

② 供託手続の代理

③ 供託手続事務の相談

④ 供託に関する審査請求手続(不服申立手続)についての代理

(目次)

(1) 供託の意義

(2) 供託の種類等

(3) 供託が有効であるための要件

(4) 不法行為に基づく損害賠償債務の弁済供託

(5) 債権者不確知の要件等

(6) 債権者不確知等による弁済供託の事例

(7) 供託金払渡請求

(1) 供託の意義
供託とは、金銭・有価証券(振替国債を含む)その他の物品を国家機関である供託所(法務局)又は法務大臣の指定する倉庫業者等に提出して、その管理に委ね、その供託所又は倉庫業者等を通じて、それらの物をある人に受領させることにより、「債務の弁済、裁判上の担保又は営業上の担保等」における一定の法律上の目的を達成しようとする手続です。


(2) 供託の種類等

ア 供託物の種類による分類

① 金銭供託

② 有価証券供託

③ その他の物の供託

④ 振替国債供託

(ⅰ) 振替国債の意義
「社債、株式等の振替に関する法律」の規定の適用を受けるものとして、財務大臣が指定した国債のことです。

・その権利の帰属は、上記の法律の規定による振替口座簿の記載又は記録によって定まるものとされています。

(ⅱ) 振替国債の供託が認められるのは、下記の場合のみです。

a 担保(保証)供託

b 公職選挙法の規定による供託

イ 供託によって達成しようとする目的(供託原因)による分類と内容

(ア) 供託によって達成しようとする目的(供託原因)による分類

① 弁済供託

② 担保(保証)供託(営業保証供託・裁判上の保証供託)

③ 裁判上の執行供託

④ 没取(没収)供託

⑤ 保管供託

(イ) 供託原因による分類の内容

① 弁済供託
金銭その他の財産の給付を目的とする債務を負う者が、債権者の事情により、弁済したくても弁済できない場合になす供託のことです。

* 詳細は、下記(ウ)に記載されています。

② 担保(保証)供託(営業保証供託・裁判上の保証供託)
担保供託には、下記のような種類があります。

(ⅰ) 営業保証供託
営業を営む者が、お客様に損害を与えたときの損害補償金とするための供託です。

(例) a 宅地建物取引業 b 旅行業 c 家畜商等

(ⅱ) 裁判上の担保供託

(例) a 民事訴訟法の担保 b 民事執行法の担保 c 民事保全法の担保等

(ⅲ) 税法上の担保供託
国税、その他国の債権の延納若しくは徴収猶予を認める場合には、将来の納付又は徴収を確保するため、債務者に一定の担保を提供させることとなっています。

(ⅳ) 物上代位制度
私人の権利を収用又は使用する場合に、その権利の上に担保物権が存するときは、施行者に補償金を供託させ、担保権者の保護を全うしつつ、施策の遂行を可能にするためにする供託等のことです。

③ 裁判上の執行供託
裁判上の執行供託には、下記のような種類があります。

(ⅰ) 執行機関のする供託

(例)

a 不動産強制執行等の供託

b 船舶強制執行及び担保権実行の供託

c 動産強制執行等の供託

d 債権強制執行等の供託等

(ⅱ) 第三債務者の供託

(例)

a 強制執行の供託

b 仮差押執行の供託

c 担保権実行・行使の供託等

④ 没取(没収)供託
法の目的を実現するために、一定の金銭等を供託させ、一定の事由が生じたときは、供託物の所有権を取り上げて、これを国家に帰属させる供託のことをいいます。

(没取供託の例)
公職選挙法92条による公職の立候補のためにする供託(選挙供託)。

 選挙の結果、「① 得票数が定められた数に達しないとき」及び「② 途中で立候補を辞退したき」は、供託金が国又は地方自治体に没取(没収)されます。

⑤ 保管供託
銀行、保険会社等の財産の散逸を防止するための供託であって、供託物そのものの保全を目的とするものです。

(ウ) 弁済供託の詳細

あ 弁済供託の意義
債務者が、債務の本旨に従い、債権者に弁済の提供として金銭の受領を求めたのに対し債権者がこれを拒んだ場合、債務者は債権者を被供託者としてその提供した金銭を供託すれば、債務者の債務は消滅し、債権者はその供託金を受け取る権利を取得します。

 債権者が供託金を受領すれば、供託関係は消滅します(民法494条)。

い 弁済供託の原因(民法494条)

① 債権者の受領拒否による弁済供託

② 債権者の受領不能による弁済供託

③ 債権者不確知による弁済供託(弁済者の過失なくして債権者を確知しえないとき)

う 弁済供託の効果
供託することにより、債務者の債務が消滅します。

え 弁済供託の法的性質(判例:最判昭45・7・15)
供託者と供託所の間において締結される「第三者(被供託者)のためにする寄託契約」です。

お 弁済供託の例

① 家賃の供託(値上げしたいと考えている家主が、家賃を受け取らないとき)。

② 買掛金の支払をしたいが、売主の住所が不明なとき。

③ 休眠担保権抹消の方法として
明治・大正・昭和初期の抵当権が、抹消されずに登記簿に記録されていることが時折見受けられます。そのような場合は、抵当権者の所在が知れないため、その抵当権を抹消できません。

・そのような場合において、登記記録の内容から、「債権の弁済期から20年を経過している場合」には、「その債権額、利息及び債務の不履行によって生じた損害の全額に相当する金銭」を供託し、その供託書を添付して、土地の所有者が単独で抵当権の抹消登記をすることが可能となります。


(3) 供託が有効であるための要件
供託が有効となるには、下記の要件が必要です。

① 供託が根拠法令に基づくものであること
供託は、供託者の意思で自由にできるというものではなく、「民法・民事訴訟法等の法令」の中に「供託を義務付け又は供託を許容する規定」がなければなりません。

(法令の条項例)

(ⅰ) 「この場合は、供託することができる」旨の規定

(ⅱ) 「この場合は、供託しなければならない」旨の規定

② 供託の目的物が供託可能なものであること
供託の目的物を供託物といいますが、供託物は、「金銭、有価証券若しくはその他の有体物又は振替国債」でなければなりません。

③ 適法な供託所に対する供託であること
供託は、法令に供託すべき供託所が定められている場合は、その供託所において手続をしなければなりません。


(4) 不法行為に基づく損害賠償債務の弁済供託

ア 不法行為に基づく損害賠償債務の範囲
不法行為の損害賠償債務の範囲は、下記によって決せられます(大判大15・5・22)。

① 通常生ずべき損害(民法416条1項)

② 特別の事情によって生じた損害(予見していたか予見可能であった場合:民法416条2項)

イ 損害賠償債務の供託
不法行為に基づく損害賠償債務についても、民法494条の要件を満たす限り、賠償額に争いがある場合においても弁済供託が認められます(昭和32・4・15民事甲710号民事局長通達)。

ウ 遅延損害金を付して供託
損害額に対し、不法行為時から提供時までの遅延損害金を付して提供することを要します。


(5) 債権者不確知の要件等

ア 債権者不確知の要件
債権者不確知の要件は、下記のとおりです。

① 債権債務の発生当初において、債権者は特定されているが、その後何らかの事情で、債務者の立場からそれを知ることができない状態に陥ったこと。

・言い換えれば、債権者は客観的に存在するが、弁済者の立場からそれを知ることができない場合のことです。

(ⅰ) 債権者が存在しないことが明らかなような場合には、債権者不確知に該当しません。

(ⅱ) 債権者が存在していることは明らかだが、だれが債権者であるかを知ることができない場合は該当します。

 債権者不確知について、「事実上の理由」か「法律上の理由」かは問いません。

* 債権者不確知についての「事実上の理由」の例

a 債権者が死亡し、相続が開始したが、相続人がだれか分からないような場合

b 当初から債権者不明のため、真実の債権者がだれであるかを知ることができない場合

* 債権者不確知についての「法律上の理由」の例

a 債権譲渡
通知があった後、譲渡取消しの通知があり、債権譲渡の当事者間に債権の帰属について争いがある場合

b 譲渡禁止特約のある債権が譲渡され、その特約につき債権譲受人の善意、悪意が不明の場合

c 複数の債権譲渡通知が同時に送達された場合

② 債権者を確知しえないことが、弁済者の過失によるものではないこと。

* 弁済者の過失によるものではないことの意味
弁済者が「善良な管理者としての注意」、つまり取引上一般的に要求される程度の注意を払っても、なお債権者がだれであるかを確知することができないことをいうと解されます。

・すなわち、債権者を確知することができないことについて、無過失が要求されます。

イ 債務額が、「債権者と債務者で不一致」の場合も供託原因となるか?
(結論)
供託原因となりません。
(理由)
供託原因は、下記の場合のみです(民法494条)。

① 債権者の弁済拒否

② 債権者の受領不能

③ 弁済者の過失なくして債権者を確知しえないとき(債権者不確知)


(6) 債権者不確知等による弁済供託の事例

ア 債権者が死亡し相続が開始したが、その相続人がだれであるかが不明の場合

① 相続人を、事実上知ることができない場合も、債権者不確知に当り弁済供託ができます。

・この場合、債務者は、相続人及び相続放棄の有無などを調査する必要もないとされています(昭和37・7・9民事甲第1909号民事局長認可)。

② 相続人は明らかであるが、単にその相続した持分が不明であるだけの場合には、債権者不確知ではないとされています(昭和47年度全国供託課長会同決議)。

イ 賃貸人に相続が発生した場合の賃料の弁済供託の方法

① 賃貸人の相続人が「1人」で、「住所・氏名」が分かる場合
賃借人は、賃料をその相続人に提供することになりますが、受領を拒否された場合は、弁済供託することができます。

② 賃貸人の相続人が「複数」おり、相続人全員の「住所・氏名」が分かる場合
賃借人は、あらかじめ相続人から、賃料債権の支払につき遺産分割協議に基づく通知などがない場合は、法定相続分に応じた賃料額を各相続人に提供することになります。しかし、受領を拒否された場合は、各相続人ごとに賃料額を弁済供託することができます。

* 一括供託の可否
相続人全員を被供託者として1件の事件として弁済供託をすることはできません。この場合は各相続人ごとに弁済供託をする必要があります(昭45・12・22民事甲第4760号民事局長認可)。

③ 賃貸人の相続人が「複数」おり、相続人の一部の「住所・氏名」が分からない場合
賃借人は、債権者不確知を理由に、賃料全額を供託することができます(昭41・12・8民事甲第3325号民事局長認可)。
(理由)
すべての相続内容が判明しないと、判明している相続人についても相続分が特定できないので。

④ 賃貸人の相続人が「複数」おり、相続人の一部につき、「氏名」は分かるが「住所」が分からない場合
住所不明の相続人に対して、受領不能を理由に、法定相続分に応じた賃料額を供託することができます。

⑤ 賃貸人の相続人が、全く分からない場合
賃借人は、債権者を確知することができないことを理由に、賃料全額の弁済供託をすることができます。

ウ 債権者である相続人間で遺産分割の争いがあるが、裁判内容から法定相続人の全員が判明している場合
債務者は、弁済供託ができません(参考:昭47年度全国供託課長会同決議)。
(理由)
債務者は法定相続人を把握しており、その法定相続分に応じて弁済することが可能なので、債権者を確知できない状態にあるとはいえません。

エ 債権が譲渡されたが、債権の帰属について、譲渡人と譲受人との間で争いがある場合
債権者不確知による供託が認められます。
(理由)
譲渡された債権の帰属について、法律的な争いがある場合(例えば、譲渡人が譲渡通知の無効を主張している場合等)には、債務者にとっては、真実の債権者がどちらであるかを判断することは困難であることから、「過失なくして債権者を知ることができない」場合に該当します。

オ 債権が二重に譲渡された場合

(ア) 債権譲渡通知の1通に確定日付がない場合
供託することができません。
(理由)
譲受人同士の優劣は、確定日付の有無で決することになるので、債務者は、譲渡通知に確定日付ある譲渡人に支払うことになり、債権者不確知になることはないからです。

(イ) 2通の債権譲渡通知の送達に先後がある場合
債権者不確知として、供託することはできません。
(理由)
判例(到達時説:最判昭和49・3・7)は、下記のように判じしています。
(判例の要旨)
債権が二重に譲渡された場合の優劣の基準は、通知及び承諾に付された確定日付の先後ではなく、「確定日付の付された通知が債務者に到達した日時」又は「確定日付の付された債務者の承諾の日時」の先後によって優劣を決めます。

 下記の場合も、同様に、債権譲渡通知の送達と(仮)差押命令又は転付命令の先後で優劣が決まります(最判昭和49・3・7、最判昭和58・10・4)。

① 債権の譲受人と(仮)差押命令を得た者との関係

② 債権の譲受人と債権を差し押さえて転付命令を得たものとの関係

* 転付命令の意義
債務者が、第三債務者に対して有している被差押債権(債権者によって差し押さえられた債務者の第三債務者に対して有する債権)を券面額で差押債権者に移転させる執行裁判所の決定のことです。

(ウ) 2通以上の債権譲渡通知の到達の先後が不明である場合
債権者不確知を供託原因として、供託申請ができます(平5・5・18民四第3841号民事局第四課長通知)。
(理由)
債権譲渡につき、確定日付のある譲渡通知が2通送達され、その先後が不明な場合には、債務者がその優劣を判断することは困難であるからです。

(エ) 2通の債権譲渡通知が同時に送達された場合
債権者不確知を原因とする供託はできません(昭59年度全国供託課長会同決議)。
(理由)
この場合、各譲受人は第三債務者に対し、それぞれの譲受債権について、その全額の弁済を請求することができます(最判昭55・1・11)。

・そして、第三債務者は、最初に請求のあった債権者に弁済すれば免責されます。

あ 債権譲渡通知について

(あ) 債権譲渡の通知人
債権譲渡についての債務者に対する通知は、あくまで譲渡人である債権者からする必要があります。

・ただし、債権者の「使者や代理人(任意代理人)」によってすることもできます(説明は下記のとおり)。

(い) 債権譲渡通知の方法

① 譲受人がなし得る通知の仕方

(ⅰ) 譲受人は、譲渡人の代理人として通知をすることができる(「最判昭46・3・25」等)。

(ⅱ) 譲受人は、譲渡人の使者として通知書を発送することができる。

② 譲受人がなしえない通知の仕方(大判昭5・10・10、最判昭46・3・25)。

(ⅰ) 債権譲受人が、譲渡人に代位して通知すること。

(ⅱ) 債権譲受人が、事務管理として通知すること。

(オ) 譲渡禁止の特約がある債権につき債権譲渡通知が送達された場合
債権者不確知を理由として弁済供託ができます(昭36・7・31民事甲第1866号民事局長回答)。
(理由)
債権者が、譲渡禁止特約に違反して行った債権譲渡の効力の有無は、特約を知らなかったことについて、「譲受人が善意・無重過失であったか否かによって決せられる」ことになります(民法466条2項)。

・そこで、債務者としては、「譲受人が善意・無重過失であったか否か」について、裁判で確定されるまでは債権者を確知できないので、債権者不確知を原因として、弁済供託ができることになります。

(カ) 譲渡禁止の特約がある債権につき差押・添付命令が発せられた場合
転付命令が発せられたというだけでは、債権者不確知による弁済供託は受理されません。
(理由)
譲渡禁止特約ある債権につき、差押・転付命令が第三債務者に送達された場合、「譲渡禁止の特約がある債権であっても、差押債権者の善意・悪意を問わずこれを差押え、かつ、転付命令によって移転することができるものであって、これにつき、民法466条2項の適用ないし類推適用をなすべきでないと解するのが相当である(最判昭和45・4・10)」と判じされたことに伴い、弁済供託が出来ないことになりました。

(キ) 破産手続開始の決定前に破産者がした債権譲渡と債権者不確知
債権者不確知を理由に、供託することはできないと解されています。
(理由)

① 破産手続開始の決定前にあっては、否認権を行使されるかどうかは分かりません。

② 破産手続開始の決定後に破産管財人が、否認権を訴訟上行使し又は否認の請求をしたとしても、これを認容する判決又は決定が確定しない限り、債務者としては、対抗要件を備えた譲渡人・譲受人間の債権譲渡を有効なものとして取り扱い、譲受人に債務の支払をすれば足りると考えられています。

(ク) 破産の否認権を行使され、これを認容する判決又は決定が確定した場合の否認権行使の効果について
この場合は、破産財団を原状に復させることになり(破産法167条 1項)、否認の効果は物権的に生じ、逸出の効力は破産手続との関係で相対的に無効となり、破産財団は回復すると解していることから、債務者の譲受人への支払が遡及的に無効であると認定される余地があります。

* 債務者の債権譲受人への支払
その支払は、債権の準占有者に対する弁済として保護されるものと考えられます(民法478条)。

(ケ) 供託所が誤って、債権者不確知を理由として供託を受理した場合
供託者において、錯誤を理由に(供託法8条2項、供託規則25条2項)取戻をする必要はないものと考えられます。
(理由)
下記のような手続をとれば、問題が解決すると考えられるからです。

① 債権譲受人が還付請求者の場合
還付を受ける権利を有することを証する書面(供託法8条1項、供託規則24条1項1号)として、「否認権行使を否定する趣旨の確定判決正本等」を添付して還付を受ける。

② 破産管財人が還付請求権者の場合
供託規則24条1項1号書面として、「否認権行使を認容する趣旨の確定判決正本等」を添付して払渡請求する。

(7) 供託金払渡請求

ア 供託金払渡請求の方法
供託金の払渡請求の方法には、次の2種類があります。

① 還付請求

② 取戻請求

イ 「供託金還付請求」・「取戻請求」が認められる要件

① 供託金還付請求が認められる要件(次の要件を満たしていることが必要です。)

a 被供託者が確定していること。

b 被供託者の供託物に対する実体上の請求権が確立していること。

c 被供託者の権利が条件付きの権利であるときは、その条件が成就していること。

② 取戻請求が認められる要件(次のいずれかに該当する場合に認められます。)

a 錯誤による供託のため、無効であるとき。

b 供託後に供託原因が消滅したとき。

* また、取戻請求が認められるためには、次のような要件が満たされていることが必要です。

(a) 供託を有効とした判決が確定していないこと。

(b) 弁済供託で、被供託者が供託を受諾していないこと。

ウ 払渡請求者
払渡請求ができる者は、次のとおりです。
a 請求者本人
b 代理人
c 使者

エ 「還付請求」と「取戻請求」のための必要書類
供託金を払い戻すには、供託金払渡請求書に必要事項を記載し、所定の添付書類を添えて供託所に提出しなければなりません。

* 供託金払渡請求書の用紙
供託所備え付けの用紙のほか、用紙のコピーやホームページから印刷したものでも構いません。

① 還付請求の場合の必要書類

a 供託金払渡請求書

* 供託金を払い戻すには、供託金払渡請求書に必要事項を記載し、所定の添付書類を添えて供託所に提出しなければなりません。

b 還付を受ける権利を有することを証する書面

* (a) 還付を受ける権利を有することを証する書面を添付することが必要な場合とは

あ 債権者不確知を原因として、被供託者が「甲及び乙」となっている場合に、その一方(甲)が還付請求をするときの書面は他の被供託者(乙)の「同意書」又は「確定判決書」です。

い 営業保証供託の場合
債権者から還付請求するときは、請求者が営業保証供託した者との当該営業上の取引によって生じた債権を有することを証する当該業者の「債務確認書」、「確定判決」等 です。

(b) 還付を受ける権利を有することを証する書面の種類 とは
同意書、確定判決書、和解調書、調停調書、公正証書等のことです。

c 反対給付の履行を証する書面
例えば、「家賃の支払」と「家屋修繕義務」が反対給付の関係にある場合には、「家屋が修繕されたことの供託者からの証明書」等を添付します。

d 印鑑証明書
供託金払渡請求書又は委任状に押された印鑑につき、市区町村長の作成した印鑑証明書(3か月以内)の添付が必要です。

e 資格証明書
請求者が登記された法人であるときは、登記所の作成した代表者事項証明書又は登記事項証明書が必要となります。

f  代理権限証明書(委任状等)

g 相続関係証明書(戸籍、除籍、附票、住民票等)
請求者が、権利の承継人(相続人)であるときは、この書類が必要です。

h 変更証明書、不在住・不在籍証明書
住所・氏名の変更又は供託申請の際に住所・氏名を誤記した場合には、この書類が必要です。

② 取戻請求の場合の必要書類

a 供託金払渡請求書

b 供託書正本

c 印鑑証明書

d 資格証明書

e 委任状

f 変更証明書