今年も残すところあと20日余り。
新型コロナウイルスに翻弄された1年。
何もかもが異例だった1年を私はどのように過ごしてきたのか。
12月に入り、今年読んだ本や聴いた音楽などを、手帳をめくりながら振り返っておりました。
コロナの影響で実店舗の本屋さんに行く機会も少なくなり、初読みの本よりも家にある本を再読することが多かった1年。手にした本は、勧善懲悪ものが多かったかな。小説の世界くらいは正義が勝って爽快な気分に浸りたかったからかもしれません。
音楽は何よりも今年生誕250年のベートーヴェンを。
世界中でベートーヴェンの音楽が鳴り響くはずであった2020年。ベートーヴェンの不撓不屈の精神とコロナに対峙する私たちの姿が重なったことは偶然でしょうか。
新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。
年末年始を穏やかに迎えられるよう、皆様も心身ともに健やかにお過ごしください。
Great White(アメリカのバンド)の『Once Bitten』。
(佐々木 大輔)
少し前のことになりますが、レコードプレーヤーのカートリッジ(ざっくり言うと針のことです)を少しグレードアップしたものに交換しました。低音域はどっしりと腰が据わり、高音域にはきらめきが増し、中音域には厚みが出ました。さらに変わったのは余韻が深くなったことです。さすがに生演奏のようにとは言いませんが、演奏の終わりに「音」ではなく「音楽」を聴いたという充実感がしっかりと残ります。
そこで手持ちのレコードをとっかえひっかえ再生してみると、今まであまり魅力を感じなかった演奏が全く違った一面を見せ始めたのです。たとえば某ピアニストによるベートーヴェンの演奏。一音一音に演奏家の神経が行き届き、見事に音がコントロールされているさまが手に取るようにわかるのです。あまり好んで聴いてこなかったレコードでしたが、思わず2度3度と針を落としてしまいました。
私はいわゆるオーディオマニアではありませんので、ウン百万円もするようなオーディオ装置を所有しているわけではありません。機械工学的な理論もさっぱりです。
あくまでも音楽を楽しく聴くことを目的として組んだオーディオ装置ですが、それでも今回のカートリッジ交換で感じたのは、物事の本質を知るためにはある程度の投資が必要であるということです。ここをなおざりにすると本質を見誤ってしまう恐れもあります。
これは何もオーディオに限ったことではありませんね。
そして投資とは、単にお金を使えばいいというわけではありません。本質を見極める力は、どれだけの時間や手間をかけて本物や良質なものに触れてきたかということも大きくかかわります。与えられた情報を鵜呑みにしているだけでは育ちません。
オーディオの世界というのは繊細なもので、高価なものを組み合わせたからと言って必ずしも良い結果が得られるものではありません。価格が倍になれば音質も倍に良くなるものでもありません。明確な目的(どんな音で音楽を聴きたいのか)をもって、自分の耳で選択するものです(ここは真剣に)。
ブランドに惑わされず(これがなかなか難しい)、自分の耳を信じる。
他人の耳で聞くわけではありませんから、世評の参照もほどほどに。
たかが趣味、されど趣味。
趣味だからこそ、熱く真面目に真剣に。
AEROSMITH(アメリカのバンド)の『Permanent Vacation』。
(佐々木 大輔)
先日、「NPO法人まちづくりトライアングル」のバスツアーに参加してきました。横手市十文字町、横手市増田町、仙北郡美郷町を巡る日帰りツアーです。消毒、換気、マスク着用等コロナ対策を万全にした上で、ツアー定員もバス乗員可能人数の半分以下での開催でした。
私は主に秋田市で育ちましたが、小学生の一時期は父親の転勤で横手市に住んでいたこともありますので、横手市のことはそれなりには知っています。しかし、このような思い込みや秋田県民であるがゆえに知っているつもりになっていることもたくさんあります。
今回のツアーを通じて、古いもの、もとい歴史のあるものを守っていく大切さを改めて感じました。「古い。維持が大変。今風ではない」などと言って壊してしまうことは簡単です。しかし一度失ったものは、二度と元には戻せません。もちろん、維持するに当たり昔のままの形を保つことがすべてとは限りません。時代にあわせてリノベーションを施しながら、歴史を現代の生活に取り込んでいくことも必要でしょう。
どこまでが伝統の承継でどこからが破壊なのか。考えさせられました。
もうひとつ、個人的な収穫は、久しぶりに英語を話す機会を得たことです。
大学院時代は周りに留学生がたくさんいたので、英語を勉強して留学生たちとも会話を楽しんだものでしたが(ほとんど音楽の話ばかりだった気もしますが・・・)、県外から秋田に戻って来てからは、全く英語を話す機会がありませんでした。ちょっともったいないなという思いがつのる中、今回のバスツアーにアメリカ人の方(加藤建設株式会社でITコンサルタントを務めるドリュー・グッドウィンさん)が参加されていたのです。これはせっかくの機会を逃すまいと恐る恐る?英語で話しかけてみたところ、私のつたない英語が予想外に通じたものですから、思わず夢中になって(またしても)音楽の話(ばかり)をしてしまいました。「本当に音楽が好きなんですね」と言われ、「ほかに話すべきことはなかったのか」と反省もしましたが、昔留学生から「お前はアメリカ人よりアメリカのロック音楽に詳しいな」と言われたことを思い出したり、懐かしい気持ちで久しぶりにプチ異文化交流を楽しみました。
ちなみに、アメリカ人の彼は日本語がペラペラでしたので(箸の持ち方も上手!)、はっきり言って英語で話すより日本語で話した方がより幅広く彼のお話を聞くことができたと思います。私の自己満足に我慢強く付き合ってくれた彼に感謝します。
最後になりましたが、バスツアーを企画された理事長加藤俊介様(加藤建設株式会社 社長)、現地調査を含め当日も八面六臂の働きで一切無駄のない濃密なスケジュール管理をされた副理事長田代苑子様(株式会社秋田建設工業新聞社 副社長)、そしてツアーの最中様々な場面でまちづくりについて深い見識に満ちたアドバイスをくださいました前理事長 長谷部光重先生(税理士)、本当にありがとうございました。
※当ブログは、原則として毎月末の更新を予定しております。
VAN HALEN(アメリカのバンド)の『5150』。
ギターを弾かない私にとってもエディはヒーローでした。高校時代は部屋にポスターも貼っていたなあ。R.I.P. Edward Van Halen
(佐々木 大輔)