街の本屋さん

読書週間(10月27日から11月9日まで)ということで、先日、久しぶりに大型書店に行きました。
陳列の妙によって思わぬ本を手に取ってみたり、「これは誰が読むんだろう?買う人いるのかな」と思うような本のページをパラパラとめくってみたり。目移りするほど読みたい本がたくさんあって、時間を忘れて書架から書架へと行ったり来たり、あっという間の1時間。
改めて私は本屋さんという空間が好きなんだなあと思いました。

報道によると、ネット通販や電子書籍の普及によって街の書店の数が減少しています。
この10年で全国から4600件を超える書店が消え、書店数は10年前の約3分の2になったとのこと。特に小規模書店(1坪から49坪)の減少が顕著のようです。
さらに、全国1741自治体のうち482、全体の25%以上の自治体で「書店がない」というのです。

対して書籍のネット販売額は、この10年で2倍に増加。
私もネットで購入する方が楽で、かつ在庫も膨大なため、ついついポチっとしてしまいますが、ネットではどうしても自分の趣味嗜好にあった本ばかりを選んでしまい、世界が広がらないというデメリットがあります。
一方、街の書店では、実物を目にし、装丁が素敵で思わず手にした本から新たな作家さんとの出会いが生まれたり、ネット購入にはない魅力があります。

聞くところによると、フランスでは、ネットの書籍販売について送料無料を規制する「反アマゾン法」なるものが導入されているそうです。
日本でも、今年3月、経済産業省が書店を支援するプロジェクトチームを発足しました。
経産省が具体的にどのような支援策を打ち出すのか期待されますが、書店側も時代に合わせた変化を求められていることも事実。旧態依然とした経営では立ち行かなくなるのは必至であり、書店側の工夫も必要でしょう。

と、偉そうなことを書いた私ですが、今年の読書量は昨年の半分にも及ばず。
一番幸せな時間は寝る前の読書時間のはずなのに、本を開くとたちまち夢の中へ。
晩酌の量を少し(←ここ重要)減らして読書時間を確保することで、心身ともに健康に、というのが、私の残り2か月の目標です。


今朝のお供、

HELLOWEEN(ドイツのバンド)の『KEEPER OF THE SEVEN KEYS Part1』。

今宵はたかちよ(高千代酒造)のハロウィン限定酒HALLOWEEN LABELで乾杯。

                              (司法書士 佐々木 大輔)

風立ちぬ

風立ちぬ 今は秋。
今は本当に秋?
ようやく秋めいてきたなと思ったら、まだまだ残暑が厳しかったり、朝晩は寒いくらいだったり(それが秋の特徴なのかな?)。

秋はお別れの季節でもあります。
別れはひとつの旅立ちだから。

上野動物園のパンダ、リーリー(オス)とシンシン(メス)が9月28日に一般公開を終え、翌29日、生まれ故郷である中国へと返還されました。
リーリーとシンシンが来日したのは、東日本大震災発生直前の2011年2月。4月に公開されると、震災で傷ついた日本に明るい光を灯してくれました。
おっとりしていて優しい性格のリーリーは木登りが得意、まあるくふっくらしたお顔立ちの美人シンシンは食いしん坊さんです(ちなみにシンシンのお母さんも超美人)。

そんな2頭の間に2017年6月、メスのシャンシャンが誕生。愛くるしいシャンシャンと母親としての愛情をたっぷり注ぐシンシン、そしてマイペースに過ごすリーリーの日常が、毎日インターネットでもライブ配信されていました。

2021年6月にはシャオシャオとレイレイの双子が誕生。コロナ禍にあって双子を一生懸命育てるシンシンの姿に元気をもらい、私も前向きに頑張ることができました。

私自身、上野動物園のパンダ一家に直接会いに行くことはできませんでしたが、メディアやファンの方々のSNSを通じて身近に接してきましたので、とてもさみしい。
しかしリーリーもシンシンも19歳(人間でいうと60歳くらい)。返還時期は当初2026年2月とされていましたが、健康状態を考慮し、前倒しでの返還となったとのこと。
2頭に健康で過ごしてもらうためであれば仕方ありません。

13年と7か月、日本のためにたくさんの元気をくれました。
故郷でゆっくり過ごしてくださいね。
ありがとう。お幸せに。


今朝のお供、

IRON MAIDEN(イギリスのバンド)の『SOMEWHERE IN TIME』。

                              (司法書士 佐々木 大輔)

いろいろと


最近、なかなかブログを書くことができなかったので、ここ数か月のお話をいくつかまとめて。

【演奏会】
亀井聖矢さんのピアノリサイタルに行ってきました。成長著しい若手(22歳)ピアニストです。
普段はかび臭いレコードで5~60年前の古い録音を聴いている私にとって、現代の若い演奏家を聴くのはとても新鮮なこと。
1曲目に演奏されたバッハ作曲のイタリア協奏曲では、チェンバロの音色を意識した音作りがとても好ましく、思わず笑みがこぼれます。
ショパン作曲のポロネーズ第6番「英雄」も、「有名な曲を観客受けを考えて派手に弾きました」という感じではなく、ポロネーズはポーランドの舞踏音楽であるという原点に忠実な演奏でした。
プログラムのラストに置かれたのはプロコフィエフ作曲のピアノ・ソナタ第7番。
私は長らくこの曲を、冷酷なまでにインテンポで演奏されるポリーニの録音で聴いてきましたので、亀井さんのテンポや表情に思い切りよくメリハリを利かせた演奏に驚きました。
この曲が作曲されたのは1942年で、ポリーニの録音は1971年。ポリーニが録音した当時はまだ作曲されて30年も経っておらず、その演奏は現代音楽としての色が濃いように聴こえます。一方、亀井さんの演奏を聴くと、この曲が2024年においては、すっかり“クラシック”として様々な解釈がなされる存在となっていることがわかりました。
また、プログラムの中心に据えられたショパンの演奏を聴いて、来年のショパン国際ピアノコンクール出場への布石かなとも思ったりして。
亀井さんの勉強の跡がしっかり伝わってきましたし、コンクールに出場したならどのような評価を受けるのか楽しみです。

【映画】
映画館で映画を観ました。
まず1本は『オッペンハイマー』です。
『ダークナイト トリロジー』や『インセプション』などで有名なクリストファー・ノーラン監督が描く原爆。
3時間の長丁場でしたが、弛緩する瞬間はありませんでした。作品としての完成度は圧巻です。
ノーラン監督といえば、時間軸を巧みに操る手法が有名で、それは本作品でも健在でしたが、できれば本作品では技巧的な演出は控えて、ストレートに描いてくれた方が私にはわかりやすかったかな。3時間、強い集中力を要する作品でした。
話は逸れますが、時間軸を操る作品として、学生時代に観た『メメント』という映画が印象に残っていて、後年、この作品がノーラン監督の初期作品であったことを知ってびっくり。
クエンティン・タランティーノ監督の映画『レザボア・ドッグス』や『パルプ・フィクション』、作家伊坂幸太郎さんの小説諸作品でも時間軸を操る手法は取られていて、最後に「この場面とあの場面が繋がるのか!」と気づいたとき、一気に脳が活性化する興奮は病みつきになります(アハ体験?)。

もう1本は『ターミネーター2』のリバイバル上映。
アルヴェシアターで2週間限定上映されるとのこと、タイミングが合い観に行ってきました。テレビやDVDではもう何度も繰り返し観た作品ですが、映画館で観たことはありません。
どの場面も、流れる音楽とともにしっかり記憶されていましたが、外界から一切遮断された空間で集中して鑑賞すると、刺さり方も全然違います。ターミネーターとの別れの場面では、わかっていても目頭が熱くなり・・・
音も映像もスクリーンで観る映画の醍醐味を存分に満喫。過去の名作をもっと映画館で観られたらなあ。
え、当日ですか?(誰も質問していない?)もちろんGUNS N’ ROSESのTシャツを着て行きましたよ、CIVIL WARデザインのTシャツを(※)。
当然じゃないですか。
私の青春ですから。


※ 『ターミネーター2』のテーマ曲として使用されたのがGUNS N’ ROSES(アメリカのバンド)の曲「YOU COULD BE MINE」。この曲がCD発売されたときのカップリング曲が「CIVIL WAR」。ちなみに、当初はSKID ROW(アメリカのバンド)の「MONKEY BUSINESS」という曲がテーマ曲に内定していたものの、直前でひっくり返ったとか。


今朝のお供、

Oasis(イギリスのバンド)の曲「Live Forever」。

祝15年ぶりの再結成!

                              (司法書士 佐々木 大輔)