ブラボー

「ブラボー!」

ちょっと流行りに乗ってみました。

サッカーワールドカップ、始まるまではあまり興味がなかったのですが、グループリーグで日本がドイツに勝った途端、私のにわかぶりが暴走し、日本戦以外でもテレビで観られる試合はけっこう観ました(全部観ました、ではないところが何とも中途半端な私)。

日本代表、念願のベスト8はかないませんでしたが、十分に楽しませていただきました。

選手の皆さん、ありがとうございます。そしてお疲れさまでした。

ブラボーに対するはブーイング。

ブーイングといえば、今年のバイロイト音楽祭(※1)のブーイングはなかなかのものでした。

今年最大の目玉は、4夜にわたる『ニーベルングの指輪』(※2)の新演出。

ところがこの新演出に対する評価が割れ(否が圧倒的多数?)、4夜全ての終演直後には演出に対する盛大なブーイングが飛び交う異例の事態に。

私は毎年のことながら年末にNHK-FMで聴きましたが、あれだけのブーイングはなかなかお目に(お耳に)かかれないほどのものでした。

また今年は、『トリスタンとイゾルデ』の上演でもびっくりすることがありました。

エンディングの「愛と死」が鳴り終わらないうちにフライングで拍手が始まるなんて(※3)。それも聖地バイロイトで。

コロナ禍により2020年は音楽祭が中止、2021年は規模縮小ときて、3年ぶりにフルサイズで開催された喜びもあったのでしょうか。

トラブルに発展してもおかしくないような観客の暴挙(不満の意思表示であるブーイングとは明らかに性質を異にする自己中心的な行動)に、首をかしげざるを得ない終演でした。

いろいろとお騒がせな今年のバイロイトの中で、オクサーナ・リニフが指揮した『さまよえるオランダ人』は、きめの細かい丁寧な音楽づくりで安心して聴くことができました。

リニフは昨年バイロイト初の女性指揮者として同じ『オランダ人』を指揮してデビューしたウクライナ出身の指揮者です。

なお、2023年のバイロイト音楽祭では、『タンホイザー』の指揮にナタリー・シュトゥッツマンが起用されることが発表されました。リニフに続く2人目の女性指揮者の登場に、時代の変化を感じます。

さて、2023年はどんな1年になるのでしょうか。

スポーツや芸術を心から楽しめる1年であってほしいと願い、今年はこのあたりで筆をおくことにします。

1年間お付き合いくださいましてありがとうございました。

来年もよろしくお願いいたします。


※1 バイロイト音楽祭

毎年夏、バイロイト祝祭劇場にて、ワーグナーの作品のみを上演する音楽祭。その模様は年末にNHK-FMで放送される。

※2 『ニーベルングの指輪』

「ラインの黄金」「ワルキューレ」「ジークフリート」「神々の黄昏」からなる4部作。全てを上演するには15時間ほどを要する。

※3 フライング拍手(又はブラボー)

曲が終わる前に拍手やブラボーの掛け声が飛ぶこと。音楽の余韻を壊すことになりかねない行為。フライング拍手を防止するため、開演前に館内アナウンスで自粛を求める場合もある。派手に盛り上がる曲であれば、フライング拍手も演出のひとつとなる場合もあるが、指揮者が指揮棒をおろすまで演奏は終わっておらず、拍手などは控えるべきと考える(私見)。


今朝のお供、

MUSE(イギリスのバンド)の『Will of the People』。

                              (司法書士 佐々木 大輔)