アーカイブ:2014年1月

『『論考』を読む』を読む

すっかり「時機に後れ」てしまいましたが、昨年読んだ本の感想を今のうちにアップしておきます。

ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』(『論考』)は、彼が29歳の時に執筆した著書で、20世紀における最も重要な哲学書として 有名ですが、これが当然のことながら難しい・・・。
そこで今回の(再々?)挑戦は、野矢茂樹著『ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む』を座右に置いて取り組むことにしました。

ウィトゲンシュタインは、『論考』の執筆終了をもって、哲学の問題は全て解決されたと考え(のちにこの考えは彼自身が否定することとなりますが)、哲学の世界からいったん身を引き、もともとなりたかったという小学校教師となります。
事実、ウィトゲンシュタインの生前に出版された著書は、この『論考』と『小学生のための語彙集』(小学生用の辞書)だけです。

さて、件の『『論考』を読む』は、野矢教授の他の著書にもみられるとおり(私は野矢教授の著書が好きで、法科大学院入試の準備の際にもお世話になりました)、柔らかく、時にユーモアのある語り口で、読みやすく書かれてはいますが、入門書としてお茶を濁したものではありません。
危険なのは、その読みやすさゆえ、『論考』を理解したつもりになるところ。また、本書の後半では、野矢教授独自の主張を展開している部分も多々あることから、あくまでも野矢教授の解釈による『論考』として受け止める必要があるのかもしれません。

残念ながら、今回も私は本体の『論考』について、ここで語ることができるだけの理解は叶いませんでした。
それでも、時をおいてまた挑戦したくなる魅力から逃れられそうにありません。

 

今朝のお供、
Maroon 5(アメリカのバンド)の『IT WON’T BE SOON BEFORE LONG』。
それにしてもヴォーカルのアダムの声には色気がありますねえ。
5曲目大好きです。ちょっとThe Policeっぽいけれど。

(佐々木 大輔)