大横綱

こんにちは。田口司法事務所です。

横綱白鵬が、千代の富士(現九重親方)の持つ53連勝の記録を抜き、双葉山に次ぐ昭和以降史上2位の連勝記録を作りました(20日時点で56連勝中)。
22年の歳月を経て生まれた素晴らしい記録です。

私は幼い頃からよく相撲中継をテレビで観ており、横綱といえば真っ先に思い浮かぶのは千代の富士です。大ファンでした。
端整な顔立ちに、小さいながらも筋骨隆々の鍛え上げられた肉体。
土俵入りの美しさも子供ながらにかっこいいと思っていました。
千代の富士の連勝が53でストップした大乃国(現芝田山親方。スイーツ親方としても有名ですね)との一番もよく憶えています。奇しくもあの千秋楽の一番が、昭和最後の一番となってしまいました。

千代の富士と当時18歳だった貴花田(現貴乃花親方)との一番も忘れられない一番です。
平成3年5月場所の初日。貴花田に敗れた千代の富士は引退を決意、その2日後、「体力の限界」という言葉とともに、潔く土俵を去ったのでした。

その後、相撲界は若貴フィーバーに沸き、ご存知のとおり貴花田は平成の大横綱貴乃花として歴史に名を刻みました。
当時私は中学生でしたが、相撲人気は凄いもので、修学旅行の最中でさえ、クラスの女子までもが相撲の勝敗を気にしていたほどだったんですよ!

白鵬は、横綱になる前から、貴乃花のような泰然とした佇まいがあったように思います。
横綱として君臨する現在は、泰然さに凛とした品格も加わり、また「日本人よりも日本人らしい」と評されるほどの日本的美徳を備えているように見受けられます。

千代の富士ファンとしては、白鵬の連勝記録更新には一抹の寂しさも感じますが、白鵬のような力士によってこそ新しい記録は生み出されるべきなのでしょう。
さらなる高みへと向かう白鵬に、相撲ファンとしてばかりではなく、一個人としても期待しています。

 

今朝のお供、
U2(アイルランドのバンド)の『NO LINE ON THE HORIZON』。
地平線の向こうにはどんな世界が広がっているのでしょうか。

 

(佐々木 大輔)

一流であり続けること

こんにちは。田口司法事務所です。

週末、食道癌を克服した小澤征爾の特集番組をテレビで観ました。
今月のサイトウ・キネン・フェスティバルで復帰コンサートを行う予定でしたが、残念ながら今度は持病の腰痛が悪化してしまい、結局コンサートは代役を立て、自身は冒頭7分間チャイコフスキーの『弦楽セレナード』を指揮するだけの復帰になってしまいました。

その演奏、小澤自身の無念さが伝わると同時に、7分間にかける情熱の凄まじさが、室内楽的な精緻さを保ちながらも圧倒的なうねりとなって放射されていたように私は聴きました。

小澤征爾といえば、誰もが知る世界を代表する指揮者です。
ウィーン国立歌劇場の音楽監督のポストをはじめ、ベルリン・フィル、ボストン交響楽団など世界一流のオーケストラを指揮してきました。
ウィーン・フィルのニュー・イヤー・コンサートを指揮したことをご記憶の方も多いでしょう。
しかし、その地位にいたるまでには、想像を絶する努力がありました。
ある本によると、小澤は世界中を飛び回る激務の日々を送りながらも、毎朝5時に起床し、机に向かって楽譜を読む。「勉強しなければ、指揮者を辞めなければならない」という指揮者人生を賭けた孤独な戦いを、75歳を迎えた今でも続けているのだそうです。
もちろん才能がものをいう世界でしょうが、それを支える「持続する力」に、私は敬服します。

一方、それだけ自分に厳しい人でありながら、気さくで人懐っこい人柄は、「本当に世界のオザワ?」と思わず目を疑うくらい。
カラヤン、バーンスタインという20世紀を代表する(しかもライバル関係にある)大指揮者両者の弟子であったことも、彼の人間性あってこその奇跡かな、と思います。

最後に。小澤征爾の演奏で好きなものと聞かれて私が真っ先に思いつくのは、サイトウ・キネン・オーケストラを指揮したブラームスの交響曲第1番です。
万年青年のような小澤らしい、若々しい情熱と瑞々しい感性にあふれた演奏だと思います。

 

(佐々木 大輔)

『悪人』

こんにちは。田口司法事務所です。

私の好きな作家のひとりである吉田修一の代表作『悪人』が映画化され、いよいよ公開が迫ってきました。
いつも観よう観ようと思っているうちに映画の公開が終わってしまい、後からDVDで観ることになってしまう私。今回こそは映画館で観ようと思っています(これもいつものことですが…)。

『悪人』の映画化について、正直に言うと、配役を聞いたときにはあまりピンときませんでした。原作のイメージが自分の中に出来上がっていて、それを誰か既知の人物と重ねることが難しかったからなのかもしれません。それほどまでにこの『悪人』という小説は、しっかりと「人間」が描かれています。
吉田修一という作家は、さりげない筆致で、まるで鋭いメスのようにすっと人間の本質に切り込んでいきます。
例えば、桐野夏生がえぐるようにして本質を暴くのとは対照的な印象を受けます。
しかし、この『悪人』は、重い。
しっかりと念を押すように、人間の思いや欲望を刻みます。

また、吉田修一は様々なスタイルで書き分けることのできる器用な作家です。
『悪人』とは正反対の軽妙なタッチで書かれた『パレード』という小説があり、これも私の大好きな作品です。
『パレード』の方が、先に挙げた彼の特徴がよりよく表れているかもしれません。

もうひとつ。彼の芥川賞受賞作『パークライフ』には、秋田の角館がほんの少しだけ出てきます。興味のある方はこちらもいかがでしょうか。

 

今朝のお供、
Blur(イギリスのバンド)の『Parklife』。

 

(佐々木 大輔)