良質なもの

良いものを長く使う。

「良いもの」の定義、というと堅くなってしまいますが、あくまでも私にとっての基準として、気に入ったデザインのもの(品のあるもの)、つくりが良質なもの、職人さんのこだわりが伝わるものを「良いもの」と考えます。

たとえば、お酒を飲むとき、良質な器やグラスを使う。
杜氏さんへ敬意を表して。
大切な人へ手紙を書くとき、良質な筆記具を使う。
景品のボールペンで書いてしまっては、相手に気持ちが伝わらないような気がして。
ちょっとこだわるだけで、心も豊かになります。

若い頃は、新しいものに目移りがして、「質より量」に重きをおきがちでしたが、現在の愛用品を見てみると、どれも10年近く(あるいはそれ以上)使用していることに自分でも驚きます。
長期の使用に耐え得るためには、何よりもまずつくりがしっかりしていなければなりません。また、メンテナンスをしながらでも使い続けたいという思い入れも必要です。私の場合、あまりにデザインが奇抜すぎるもの、流行を追いすぎたものは、飽きてしまうのも早い気がします。
長く愛用するためには、購入する時点で納得のいくものを選ぶ審美眼を養わなければなりません。

私が思う良いものとは、けっして「高額なもの」ということではありません。
高額品ではなく「高級品」。
もちろん、高級な品である限り、ある程度高額になるものもあります。しかし、そのぶんだけ、頑張って購入したのだから大切にしようという気持ちと、良質であるが故に長期の使用に耐え得るというその物自体がもつ性能の相乗効果により、より長く愛用できるようになります。

季節も暖かく春めいてきました。
愛用品に感謝を伝えながらお手入れをするにはよい時期です。
私は、まず、チェロのお手入れから始めることにしましょう。

 

今朝のお供、
The Prodigy(イギリスのバンド)の『The Fat of the Land』。

(佐々木 大輔)

マーク・ロスコ

最近、マーク・ロスコの画集を手に取ることが多くなりました。

ロスコは、生前、もっぱら人間の基本的な感情(悲劇、忘我、運命)を表現することに関心を寄せ、自分が絵を描くことは「自己表現ではなく他人に向けたコミュニケーションである」と定義していました。鑑賞者とのコミュニケーションを作品の根幹におくことから、鑑賞者の内面を映す鏡のような作品と評されることもあるようです。

ロスコの作品には、タイトルがついていないもの(『無題』と題されたもの)が多いため、「何が描かれている作品か」ということを推測する手掛かりがありません。一方で、タイトルが無いことは、作品の見方を限定されずに鑑賞できるという利点もあります。

海外では、悲劇性が強調されて受けとめられることもあるとのことですが、私の場合、ロスコの作品を観ることで、意識が自己の内なる深淵へとゆっくりと導かれ、自分を見つめ直すきっかけとなり、その結果、様々な物事や感情が整理されて心が穏やかになっていくことに魅力を感じます。

ある本には、「多くの人は、ロスコの作品を右脳で鑑賞しているようだ」と書かれていました。
言語や論理をつかさどる左脳と、感覚や感情をつかさどる右脳。
とすれば、ロスコの作品は、日々文章と向き合う仕事をしている私にとって、理屈から感性へ、仕事脳からプライベート脳へ、スイッチを切り替えてくれる効果があるのかもしれません。

千葉県佐倉市にある川村記念美術館には、ロスコの『シーグラム壁画』と呼ばれている作品群のうち、7点が収蔵されています。
『シーグラム壁画』は、もともと、「最高の料理と現代アートをともに提供する」というコンセプトで創設されたレストランから、ロスコが一室の装飾を依頼されて作成したものでした。
ところが、レストランの雰囲気に幻滅したロスコが、契約を破棄してしまったため、これらの作品群は一旦お蔵入りとなってしまいます。
その後、9点がロンドンのテイト・ギャラリー(テイト・モダン)に寄贈され、1990年には川村記念美術館が7点を購入したことにより、これらの作品群を鑑賞することができるようになりました(残りはワシントンDCのナショナル・ギャラリーなどが所蔵)。
テイト・モダンと川村記念美術館では、これらの作品群のために、ロスコが望んだとおり、ロスコの作品のみを展示した一室を設けています。

ロスコ作品のみが飾られた空間を持つ美術館は、上記の美術館をあわせても、世界でたった4つだけです。
いつかこれらの美術館を巡る旅をしてみたいものです。

※本文の情報は、私の所有している海外版の画集や書籍から得たものであり、もしも誤りがあるとすれば、その全ては私のつたない語学力に起因するものであることをお許しください。

 

今朝のお供、
SEKAI NO OWARI(日本のバンド)の『Tree』。
久しぶりに現れたヒットチャートを駆け抜ける若いバンドにワクワクしています。
青さも感じるけれど、求める音に対してはもっと尖っていけばいい。

(佐々木 大輔)

謹賀新年

明けましておめでとうございます。
今年も田口司法事務所と当ブログをよろしくお願いします。

皆さんは年末年始をいかがお過ごしでしたか?
私は昨年に続き9連休でしたので、ずっと気になっていた部屋の模様替えをしました。
東日本の震災以降、特に2階にある自室には物を増やさないよう心掛けてきたつもりですが、それでも増えてしまった本やCDを1階へと移動させ、荷重を減らしました。
おかげで、部屋もすっきりし、気持ちよく新年を迎えることができました。

さて、おととい(1月11日)初日を迎えた大相撲初場所。今年の大相撲は、横綱白鵬の33回目の幕内最高優勝に期待がかかります。
大鵬の記録を44年ぶりに塗り替える記録だけに、ぜひとも偉大な記録に見合う心技体の揃った横綱として、その名を刻んでほしいものです(切に願います)。

 

今朝のお供、
COLDPLAY(イギリスのバンド)の『Ghost Stories』。
昨年末新調した自室のスピーカーとアンプの配線に四苦八苦。
しかし苦労の甲斐あって、セッティングしたオーディオは、麗しい音で鳴っています。

(佐々木 大輔)