あきた芸術劇場ミルハス

先月今月と、続けて「あきた芸術劇場ミルハス」に行く機会がありました。
先月は青山学院大学陸上競技部原晋監督の講演会と司法書士制度150周年記念イベント(こちらには司法書士として運営に参加)。
そして今月は、念願かなってようやく演奏会を大ホールで聴くことができました。
読売日本交響楽団の演奏会で、モーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」序曲に始まり、メインがドヴォルザークの交響曲第9番「新世界から」という(昭和の香り漂う?)王道のプログラム。
しかし、当夜の真のメインプログラムは、前半に演奏されたガーシュウィンのピアノ協奏曲でしょう。

ソロを務めるピアニストは角野隼斗(すみのはやと)さん。
東大出身という異色のピアニストで、YouTubeでも“かてぃん”の名で活動し、その名を広く知られたピアニストです。
と書いてはみたものの、恥ずかしながら私は角野さんのことを最近まで存じ上げず、2021年のショパン国際ピアノコンクールを追ったドキュメンタリー番組を観て初めて知りました(角野さんはセミファイナリスト)。
会場には角野さんお目当てと思われる若い方々もたくさんおられたようで、クラシックの演奏会独特のしかつめらしい雰囲気はあまり感じられませんでした。

さて、肝心の演奏ですが、これが本当に素晴らしかった!
生粋のクラシックピアニストではあのような演奏にはならなかったんじゃないかなあ。
オーケストラも大奮闘。この手の曲は日本人にとって最も苦手とするところと思いますが、指揮者、ピアニスト、そしてオーケストラが一丸となって成功させようとする気合い、難曲に挑戦するスリル、音楽を奏でることへの純粋な喜びが伝わってきました。
予習と称して手持ちのCDを聴き込んで臨んだ演奏でしたが、第1楽章終結部は生で聴くとこんなにも迫力があるのかと興奮しましたし(思わず拍手しちゃった方々の気持ちもわからないではない)、第2楽章では高層階からニューヨークの夜景を眺めているかのような美しさにうっとり。第3楽章で角野さんはカデンツァに同じガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」を盛り込むなど遊び心も満載。
「なんて素敵な曲なんだろう」と曲そのものの良さを存分に感じることができた演奏でした。
あれ、そういえばオーケストラのチェロパートに遠藤真理さんもいらっしゃいましたよね?

これらの演奏を見事にまとめ上げた29歳の若き指揮者松本(しゅう)利音(りひと)さんについても触れないわけにはいきません。松本さんは珍しい名前の方ですが、なんと往年の名指揮者シューリヒトの奥さんが名付け親なんだとか。
指揮姿は若々しく、これからの成長を期待したい部分もありましたが、指揮者とオーケストラが互いに敬意を払い良好な関係を築いている様子が演奏からもよくわかりました。
その名に相応しい指揮者として飛躍されることを楽しみにしています。

最後に。ところどころ目をつぶり視覚からの情報を閉ざして演奏を聴いてみたところ(寝ていたわけではありませんよ。生音とオーディオで聴く音との比較です)、我が家のオーディオによる再生音も(もちろん生音には及ばないものの)なかなか悪くないな、と思えたこともまた収穫でした。


今朝のお供、

PINK FLOYD(イギリスのバンド)の『The Piper at the Gates of Dawn(夜明けの口笛吹き)』。

                              (司法書士 佐々木 大輔)

旅をしよう

秋田市は少しずつ春の兆しが見えてきました。
もう少し暖かくなってきたら、今年は県外に旅してみたいなあ。
旅と言っても大げさなものではなく、土日に1泊2日で行けるような軽いものでいいのです。
各地にいる友人とも会いたいですし。さすがに九州に住む友人に1泊2日で会いに行くのは難しいでしょうけれど。
誰かと一緒に行くもよし、ひとりで気ままに行くもよし。

まずは東北。
宮城県は研修等も含め行く機会が多くありますが、その他4県にはなかなか行く機会がないものですから。
友人と会い、地のものを食べ、地酒を酌み交わす。
コロナ禍で久しく実現できなかった“当たり前のこと”を今年はしたいです。

それから新潟県にも行きたい。
10年以上訪れていないので、学生時代を過ごした街が今どのように変わっているのか興味があります。
新潟駅も2024年春に全面開業予定でリニューアル工事が進んでいます。
私としては、(昔の秋田駅を大きくしたような)旧駅舎に懐かしさを覚えますが、時代に合った新潟の顔に生まれ変わるのでしょう。

先日、「テーマを持って旅に出る」ことによって人生は変わる、という講演を拝聴しました。
旅のテーマをいかに設定するか。これはじっくり考えることにします。
出不精な私にとって旅は非日常、せっかくの機会ですので、ただ観光地や名所を慌ただしく巡るのではなく、明確な目的意識をもった旅ができればと思っています。

あ、そうだ、各地の近代名建築を巡る旅なんていいかも(建築にはまったく不案内な私ですが・・・)。
最近読んだ本の影響で、前川國男氏の建築に惹かれております。
晩年の代表作とされる熊本県立美術館の控えめで穏やかでありながら凛とした美しさは、写真で見ても心が整うような雰囲気があります。
また前川氏は東京文化会館をはじめ、神奈川県立音楽堂や埼玉会館など音響に優れた音楽ホールも設計していますので(前川氏はル・コルビュジエの弟子としてフランスに滞在中、時間を見つけては演奏会やオペラに出かけていたそうで、その経験が氏の建築にも生きているようです。)、演奏会とともに建築も鑑賞する楽しみが増えます。

急に思いついたわりに「近代日本の歩みを名建築に見る」というテーマは、(もう少し練れば)旅のよいテーマになりそうです。
建築物が地域や人々と共存しているのか、孤高の存在として屹立(きつりつ)しているのか。
その答えは、実際現地に行ってこそ得られるものであると考えます。


今朝のお供、

ハービー・ハンコック(アメリカのジャズミュージシャン)の『MAIDEN VOYAGE(処女航海)』。

僕らの前には新しい世界が広がっている。

                              (司法書士 佐々木 大輔)

一年の計

一年の計は元旦にあり。
私も元旦に今年の目標を立てました。その中からひとつ挙げると「読書100冊」。
近年は多くて50冊程度という年が続いておりましたので、今年は倍増です。
1か月あたり8~9冊、3~4日に1冊ペースとなるでしょうか。
今月は9冊読めましたのでまずは順調なスタートを切ったと言えるでしょう。

もちろん、冊数だけをこなすつもりはなく、内容も充実した読書を心掛けるつもりです。
今年は海外現代文学と(国内の)話題の新刊も積極的に読んでいこうと思っています。
先日、久しぶりに海外の現代文学を読みましたが、当然のことながら日本文学とは違う趣がありました。
人間を描くに当たり普遍的なものはあるのですが、捉え方には違いがあらわれます。
その違いの根底にあるものについて思索することも含め、海外文学に接することは異文化への理解の端緒となるものと考えます。

話題の新刊については言わずもがな。
世間の流行を把握するためという理由もありますが、文学(純文学も大衆文学も)は「時代を映す鏡」です。
以前も当ブログで取り上げた言葉ですが、大江健三郎氏は、「優れた芸術家・小説家とは、新しい表現のかたちを持っていて、私たちは彼に与えられたかたちを見て、自分の生きている世界とはこういうものかと、あらためて理解することがある」と言っています。

それから今年は久しぶりにミステリ(特に、いわゆる「新本格派(※)」以降の作品)を集中的に読みたいと思っています。
新本格派ミステリの名作についての指南書も購入しましたので、指南書を参考にリストアップされた作品をひとつずつ読んでいく予定です。

ところで、皆さんがイメージするミステリ小説のお供に合う飲み物とは何でしょうか。
私の場合はコーヒーかワインかウイスキーかというところですが、どれも大好きなので迷ってしまいます。
ワインは犯行の道具になったりとミステリには欠かせないものですが、個人的には探偵役が(チャンドラーのフィリップ・マーロウのように)ハードボイルドな雰囲気の人物であればウイスキーかな。
しかし、お昼からウイスキーをお供に読書は贅沢?すぎるので、日の高いうちはコーヒーとともに、夜はウイスキーとともに。
って、自分で言い出しておきながら何ですが、別に決めつけなくてもいいじゃないですかね。
そのときの気分と作品との相性で楽しむことにします。

今年100冊読めたのかどうか。結果は年末、当ブログで正直に報告いたします。
今年もたくさんの良作に出会えるといいな。


※新本格派(新本格派ミステリ)

綾辻行人が1987年に『十角館の殺人』でデビューしたことをきっかけに、1980年代後半から1990年代前半にかけて、京都大学推理研究会出身者を中心とした20代の新人ミステリ作家が相次いでデビューし、一大ムーブメントが起こった。後続世代は第二世代、第三世代(新新本格派)などと呼ばれている。新本格派ミステリとは、これらの作家による作品を指す。


今朝のお供、

GUNS N’ ROSES(アメリカのバンド)の『USE YOUR ILLUSION Ⅰ&Ⅱ』(スーパーデラックスボックス)。

1991年N.Y.RITZでのライブ音源が完全版で聴ける喜び。誰が何と言おうと私の青春。

                              (司法書士 佐々木 大輔)