じぇじぇじぇ

秋田市は先週、5日連続で真夏日を記録しました。6月としては観測史上初めてのことだそうです。一体梅雨入りはいつになるのでしょう。

そんな暑い毎日に負けそうになりますが、私の元気の源はNHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』です。朝の放送時間帯にはもう出勤していますので観られませんが、週末にまとめて観るのを楽しみにしています。
私が改めて説明するまでもありませんが、現在放送中の故郷編では、内向的な性格の主人公アキ(東京出身)が、母親の故郷である東北の北三陸町で海女を目指して奮闘するうち人気が出て、地元のアイドルになるという内容で、時代設定は今から4、5年前。
主人公の素朴さと透明なキラキラ感はハンパありません。
そんな初々しい主人公を、濃すぎるベテラン勢が支えるというキャスティングも盤石です。
物語のテンポがよく、テーマ音楽もちょっと変わっていて軽妙。

脚本はクドカンこと宮藤官九郎で、もう、全編クドカンワールド全開!あちこちに散りばめられた小ネタにクスッとしたり爆笑したり、15分間ずっと笑顔でいられます。
俊ちゃん(田原俊彦)のそっくりさんの物まねレパートリーにマッチ(近藤真彦)も入っていたり、駅長がカラオケで毎回入れるゴーストバスターズのテーマ曲、なのに歌えるのはサビの「♪ゴーストバスターズ!」の部分だけだったり(もう1曲のレパートリーがVAN HALENの曲「JUMP」というのも、ザ・80年代)・・・。
「E.T.」「ジェームズ・ブラウン」「ジャイアンリサイタル」といったツッコミから三島由紀夫の『潮騒』の引用まで、多岐にわたり何でもあり。
挙げるときりがありませんが(そして私が気付いていないであろう小ネタもたくさんあるはず)、細かい仕掛けに気付かなくても、朝ドラとして十分にストーリーを楽しめます。
クドカンは、多くが期待する朝ドラのあるべき姿を守りつつ、その中で思う存分自分らしさを発揮し、やんちゃに遊んでいます。

今月末からは、主人公が全国区のアイドルを目指して上京する東京編となるようですが、ずっと東北を舞台に観ていたいと思ってしまうのは勝手でしょうか。

こうしてドラマから元気をもらっている私ですが、どうしても意識せざるを得ないのは、来るべき東日本大震災が、この明るいドラマにどのような影を落とすのかということ。
主人公の眩しい笑顔が悲しみで曇るのは見たくないなあ。

 

今朝のお供、
Daft Punk(フランスのミュージックデュオ)の『Random Access Memories』。
8年振りの新作。こちらもタイトルどおり、ドラマに負けず劣らず80年代音楽に対するオマージュが満載。

(佐々木 大輔)