ドビュッシー

今年は作曲家ドビュッシーの生誕150年のアニバーサリー・イヤー。魅力的なCDがたくさん発売され、ドビュッシーの熱心な聴き手とはいえない私にとっては、ドビュッシーを知る良い機会になりそうです。

ドビュッシーといえば、「亜麻色の髪の乙女」(『前奏曲集第1巻』収録)や「月の光」(『ベルガマスク組曲』収録)といったピアノ曲、フルートの奏でる気だるい旋律が印象的な『牧神の午後への前奏曲』などは、きっと皆さんも耳にしたことがあるでしょう。

数ある名曲の中で、私が惹かれるドビュッシーの作品は、彼が完成させた唯一のオペラである『ペレアスとメリザンド』です。
私はこのオペラを、専らブーレーズ指揮コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団のCDで楽しんでいますが、ひんやりとして怜悧な演奏は、霧の立ちこめる森を彷徨うようなというよりも、森の中にひっそりと在る澄み切った泉に身を浸すような感触があります。
もう一曲挙げるとすれば、『夜想曲』。こちらは気分によって聴く演奏をかえますが、ハイティンク指揮コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏で聴くと、陰影が濃厚で、まるでレンブラントの絵画を観るよう。

クラシック音楽を聴く楽しみのひとつに、同じ曲を様々な演奏で聴き比べることが挙げられます。
アニバーサリー・イヤーを機会に、他の演奏でも『ペレアス』を聴いてみようと思っています。

 

今朝のお供、
桑田佳祐の『I LOVE YOU‐now & forever‐』。
10年振りのベスト盤。サブタイトルどおり、過去の名曲に加え、今を象徴する新曲5曲が収録されています。新曲のうち少なくとも2曲は、彼の新たな代表曲になるのではないでしょうか。

(佐々木 大輔)