『フェイク』
週末、お気に入りの映画、『フェイク』を観ました(本当に最近は、新しい作品よりも馴染みの作品に手が伸びます)。
マフィアの巨大ファミリーにたった一人で潜入し、壊滅に導いたFBI捜査官ジョー・ピストーネ(偽装名ドニー・ブラスコ)の実話に基づく映画です。
マフィアの一員であるレフティに接触する機会を得たドニーは、レフティに見込まれ組織に食い込み、一方のレフティは、人生の黄昏を迎える中、若いドニーに再び出世の夢を託します。
組織内部の抗争が激化する中、レフティとドニーは、“兄弟関係”を超えた絆を深めていきますが、向かう先の結末は、最初から決められていて・・・
落ち目のレフティを演じるのはアル・パチーノ。そのくたびれた哀愁を漂わせる様子は、これが『ゴッド・ファーザー』のマイケルを演じた男と本当に同じ人物かと目を疑うほど。
潜入捜査官としての任務と、レフティに対する愛情の狭間で葛藤するドニーを演じるのはジョニー・デップ。初めから二人の結末を知っている彼の目は、全編通じて悲しみと切なさに満ちています。
両名優が名を連ねた豪華な映画でありながら、あまり認知度が高いとはいえないのが残念なところ。特に、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズや『チャーリーとチョコレート工場』をきっかけにジョニー・デップのファンになった方には、ぜひ観ていただきたい映画です。
最後に全てを悟ったレフティの表情。潜入捜査を終え、その成功を形ばかりに表彰されるドニーの目。アル・パチーノとジョニー・デップの演技が素晴らしく、二人の間に築かれた親愛の情がどれほどのものであったのか、まっすぐ胸に迫り、熱くなります。
何度観ても、レフティがドニーに残した最後の言葉には、涙が止まりません。
今朝のお供、
LED ZEPPELIN(イギリスのバンド)の『LED ZEPPELIN Ⅰ』。
最近は、2ndよりも、この1stの方をよく手に取ります。
(佐々木 大輔)