12月半ば。秋田市もついに雪化粧です。雪が舞い始めると、いつも私の頭の中には、槇原敬之の曲「北風」が流れます。
そして12月と言えばクリスマス。街にもイルミネーションの光が溢れています。
クリスマスが近づいてくると我が家では、サンタさんの絵が盤面に描かれた思い出のレコードに針を落として楽しむことを以前のブログで書きましたが、もう1枚、思い出のレコードがあります。
その1枚とは、キリスト最後の7日間を描いたアンドリュー・ロイド・ウェバー作のミュージカル『ジーザス・クライスト・スーパースター』です。我が家にあるのは、映画版(1973年)のサウンドトラックで、今やクラシック音楽界の大巨匠アンドレ・プレヴィンが指揮を務めるもの。
ちょっと話がそれますが、プレヴィンの指揮する音楽は、華美な虚飾を排しながらも洒落ていて、特に彼のモーツァルトを聴くとほっこり幸せな気持ちになります。
とはいえ、もともとプレヴィンはジャズ畑出身の音楽家ですから、『ジーザス』に聴くビートの効いた音楽の処理も素晴らしく、上品になり過ぎないワイルドな演奏を堪能できます。
『ジーザス』の内容は、かなりシニカルで刺激的なものですから、クリスマスにはそぐわないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、我が家のクリスマスには欠かせないレコードです。
ミュージカルには詳しくない私ですが、ロイド・ウェバーの作品は大好きで、『ジーザス』以外にも『オペラ座の怪人』『キャッツ』『エヴィータ』などを愛聴しています。
今朝のお供、
IRON MAIDEN(イギリスのバンド)の『Fear of the Dark』。
ヘヴィ・メタルが聴きたい、と思ったとき真っ先に思い浮かぶバンドです。
(佐々木 大輔)
来年の話をすれば鬼が笑うと言いますが、そろそろ始めても許されるのでは?
ということで、さっそく来年の話をしますと、2013年は、オペラ史に名を刻むヴェルディとワーグナーの生誕200年を祝うアニバーサリー・イヤーです。イタリアオペラとドイツオペラを代表するこの両雄は、奇しくも同じ年(1813年)生まれ。来年はオペラ好きにはたまらない1年になりそうです。
オペラは、歌、演技、演奏、演出等全てを楽しめる総合芸術です。
昔は、オペラと言えば歌手の時代でした。指揮者が誰であるか、演出がどうであるかといったことは二の次で、観客の関心は専らスター歌手。
もちろん、歌手の歌声に酔い、拍手喝采する楽しみは今も変わりありませんが、カラヤンが帝王と呼ばれる存在になった頃から、オペラは指揮者が主役の時代に入りました。告知ポスターには「カラヤンの○○」「クライバーの○○」と謳われ、上演そのものにも指揮者が最も強い権力を持っていた時代です。
では現在はどうかというと、歌手も指揮者も、演出に合わせて音楽を作っていくことが求められているらしく、演出の時代と言われているようです。一般的には、演出について保守的なアメリカよりも、ヨーロッパの歌劇場での方が、前衛的な音づくりのオペラに接する機会が多そうです。
ただ、オペラはなかなかとっつきにくくて・・・という方もいらっしゃるでしょう。
そこで、私がお勧めするのは、ヴェルディの『椿姫』、プッチーニの『トスカ』あるいは『ラ・ボエーム』です。これらのオペラは、音楽も内容も分かりやすく、上演時間も2時間ほどですから、映画感覚で観ることができますし、良いDVDもたくさん発売されています。
そして少しオペラに慣れてきたら、ワーグナーやR.シュトラウス、ベルクなどのオペラに進んでみてはいかがでしょうか。
最後に。イタリアオペラは社交的な人が好み、ドイツオペラは思索的な人が好むとよく言われます。皆さんはどちらのオペラを好むのでしょう。
今朝のお供、
The Beatlesの『HELP』。
ワーグナーがオペラ『トリスタンとイゾルデ』で効果的に用いた倚音(いおん。ある音符にくっついてそれに先だって奏される音)が、このアルバム収録の名曲「Yesterday」でもさりげなく使われているんですよ。
(佐々木 大輔)
連日、日本選手のメダルラッシュに沸いていますね!皆さん、寝不足になっていませんか?
各競技に触れているときりがなくなってしまうので、今回のブログでは、開会式について書くことにします。
映画『トレインスポッティング』『スラムドッグ$ミリオネア』などの作品で知られるダニー・ボイル監督が総合演出を、映画でもボイル監督とタッグを組む盟友UNDERWORLD(イギリスの音楽グループ)が音楽監督を担当した開会式。
全編にわたって披露されたTHE BEATLES、THE ROLLING STONES、デヴィッド・ボウイ、LED ZEPPELIN、QUEENからMUSEやARCTIC MONKEYSといった21世紀のバンドの曲まで、綺羅星の如き音楽メドレーは圧巻でした。
サイモン・ラトル指揮ロンドン交響楽団の演奏に紛れ込んだ、ローワン・アトキンソン扮するMr.ビーンにも笑わされましたね。
開会式を締めくくったのは、ポール・マッカートニーによる「HEY JUDE」。音響トラブルを避けるため、当初は口パクを提案されていたとか。しかし、後日、ポール自身がツイッターで「口パクの提案を拒否し、生で演奏した」と明かしたとおり、御年70歳にして生演奏にこだわるロック魂を見せつけ、最後は選手も観客も一体となった大合唱で大団円を迎えました。
もともとはジョン・レノンの息子を励ますために作曲された「HEY JUDE」の歌詞、「君がやるべきこと~君ならできる」、奇しくもオリンピックにぴったりでした。
ロック音楽ファンの私には、ロック音楽が文化として認められ、こんなにも市民権を得ていることに感慨深いものがありました(ピストルズの曲「GOD SAVE THE QUEEN」が使われたのには驚きましたが)。
オリンピックも後半戦。まだまだ楽しみな競技が目白押しです!
今朝のお供、
DEEP PURPLE(イギリスのバンド)の『MACHINE HEAD』。
ジョン・ロード氏のご冥福をお祈りします。
(佐々木 大輔)