こんにちは。田口司法事務所です。
先週は急に寒くなりましたね。みなさん、風邪などひいていませんか?
ところで、今回はちょっと法律のお話を。
私たちが業務で一番使う法律は民法です。不動産登記も相続登記も、そのベースにあるのは民法なんです。そして、みなさんの生活にとっても一番身近な法律は、民法ではないかと思います。コンビニでおにぎりをひとつ買う場合にも、実は民法が関係してるんですよ(具体的なお話はまた別の機会に)。
その民法を支える大原則として、所有権絶対の原則、私的自治の原則、過失責任の原則があります。
「所有権絶対の原則」とは、所有権(物を自分のものとして自由に扱う権利)は国家といえども侵害することはできないという原則です。フランス革命などの近代市民革命によって獲得されたものです。
ただし、何をしても自由というわけではありません。公共の福祉に反しない限りという制限はあります。これは当然のことですよね。他人に迷惑をかけてまで自分の権利だけを主張することは許されません。
「私的自治の原則」とは、そもそも契約をするかどうか、契約をする場合には誰とするか、どのような内容で契約をするかなどは自由に決められなければならないという原則です。
「過失責任の原則」とは、故意や過失がなければ損害賠償責任を負わされることはないという原則です。
これらの原則によって、民法はもとより、私たちの権利や生活も支えられているのです。
時期的に。
HELLOWEEN(ドイツのバンド)の『MASTER OF THE RINGS』。
(佐々木 大輔)
こんにちは。田口司法事務所です。
みなさん、最近「秋霜烈日」という言葉を耳にすることが多いのではないでしょうか。「秋の冷たい霜と、夏の烈(はげ)しい暑さ」を表す言葉で、刑罰や志操の厳格さを表す言葉としても使われます。
検察官が胸に付けているバッジが霜と日差しをかたどったようなデザインであることから、検察官バッジに対する通称としても用いられています。
導かれる意味には諸説あるようですが、「検察官には、厳しさばかりではなく、日差しのような暖かさも必要である」という意味があるとも言われています。
ところが今回、検察官が証拠を改ざんし、有罪をねつ造しようとしていたことが発覚しました。しかも一検察官の独断というだけではなく、組織ぐるみの隠ぺい工作まであったとの様相も呈しています。
もちろん、判決が確定するまで真相は分かりませんが、仮に真実であるとすれば、日本の正義の基礎が揺らぐ大事件です。
事件の背景には、日本では起訴された刑事事件が、有罪率99%以上であることを指摘する人もいます。
裁判所に被疑者を起訴するのは、原則として検察官のみに与えられた役割なので、99%という有罪率を維持するためには、検察官に「起訴する以上絶対有罪にしなければならない」というプレッシャーがあることも事実でしょう。
しかしこの数字は、あくまで「結果」であり、「鶏卵論争」の入り込む余地は絶対にあってはなりません。
積み重ねられた誇るべき99%の有罪率は、それこそ霜が降りる厳しい寒さの中も、夏の烈しい暑さの中も、真相を解明するため地道に証拠を集め、身を粉にして正義を貫いた結果の数字だったはずではないでしょうか?
今朝のお供、
MANIC STREET PREACHERS(イギリスのバンド)の『POSTCARDS FROM A YOUNG MAN』。
マニックスの最新作。結成20年を経てもなお、青い歌声を突き上げる姿勢からは、未熟さよりも実直さを感じます。
(佐々木 大輔)
こんにちは。田口司法事務所です。
皆さんも最近のテレビや新聞の報道でご存知かと思いますが、消費者金融会社最大手の武富士が、先月28日、東京地方裁判所に会社更生法の適用を申請しました。
債務整理は当事務所の取り扱っている業務のひとつですので、現在、情報収集に努めております。
会社更生法適用の申請とは、自力で再建することが難しくなった会社が裁判所に対して、再建に力を貸して欲しいとお願いすることです。申請が認められると、会社は経営を続けながら債務(借金など)を弁済していくことになります。
したがって、債権者は武富士に対して過払金を請求することができますが、請求できる範囲はあくまでも会社資産の範囲内に限られてしまいます。
武富士に対して過払金を請求できる顧客の数は、200万人ともいわれ、その総額は2兆円にものぼるとみられています。
利息制限法(15~20%)を超える金利でお金を借りていた顧客が返還請求の対象となります。たとえ借金の返済をすでに終えていたとしても、10年以内であれば返還請求が可能です。
皆さんの中に、もしも武富士から過去にお金を借りていた方、現在返済中の方がいましたら、取引履歴や金利を確認されることをお勧めします。
裁判所から会社更生手続の開始決定がされたのち、約4カ月の間に債権(過払金の返還を請求する権利があること)の届け出をしなければ、返還金を受け取る権利を失ってしまいます。
ただし、前述のように、武富士は残された資産の中から返還に応じることとなるため、過払金返還額はかなり低いパーセンテージになるとの見方が多いのも事実です。
ご不明な点がございましたら、司法書士・弁護士に相談した方がよろしいかと思います。
自らの権利を気付かないまま失ってしまうのは、残念なことですから。
今朝のお供、
ノラ・ジョーンズ(アメリカのミュージシャン)の『THE FALL』。
この季節、彼女のスモーキーな歌声がよく似合いますね。
(佐々木 大輔)