物語のつづき

こんにちは。田口司法事務所です。

村上春樹の新作、『1Q84 BOOK3』が発売されましたね。
さっそく私も買いました。読む時間が出来るのを楽しみに待ちたいと思います。

村上春樹の小説は全て読んできましたが、読むたびに好きな作品は変わります。
今なら『ダンス・ダンス・ダンス』や「蜂蜜パイ」(『神の子どもたちはみな踊る』収録)でしょうか。
ラストに明るい希望があるからかもしれません。
村上春樹には外国人のファンも多いため、私は外国人とコミュニケーションをとる際、共通の話題として重宝しました。
イギリス人の知人が言うには、日本人の作家でありながら日本をあまり感じさせないため、小説の世界に入りやすいとのこと。
たとえば小説の舞台が「東京」であっても、東京である必然性はなく、「ニューヨーク」や「ロンドン」など読む人それぞれにとって身近な都市と置き換えても、違和感なく読めるというのです。
なるほど!たしかに。
村上春樹の特徴のひとつは、物事や事象を記号化して(つまり交換可能なものとして)表現していることにあるのかもしれません。

また、大江健三郎は、
「優れた芸術家・小説家とは、新しい表現のかたちを持っていて、
私たちは彼に与えられたかたちを見て、自分の生きている
世界とはこういうものかと、あらためて理解することがある」
と言っています。

村上春樹の小説を通して見ると、皆さんの日常がすっきりと、そして鮮やかに見えてくるかもしれませんね。

通勤のお供、
MUSE(イギリスのバンド)の『THE RESISTANCE』。
こちらもジョージ・オーウェル著『1984年』をモチーフとした音楽です。

 

(佐々木 大輔)