アーカイブ:2019年4月

ブックカバー

先日発表された本屋大賞のノミネート作品を見ながら思ったのは、本屋大賞は「本が売れない時代に、書店の現場から売れる本を作る」との触れ込みのはずが、結局のところ、今年も店員さんが黙っていても売れる作品や作者の名前がずらりと並んでいたこと。
数年来この傾向は続いており(実は初回から?)、本屋大賞も曲がり角にきているのかなあと思った次第。

なんて、辛口な枕となってしまいましたが、もちろん、ノミネートされた作品に罪はなく、私も実際に読んで面白いと思った作品が並んでいるのも事実。本好きとして、賞の在り方について再考を願うという意味です。

ノミネート作品を含め、本の中身についてお話ししたいことはたくさんあるのですが、今回は中身ではなく「外側」のお話。
ということでようやく本題ですが、皆さん、読書をする時ブックカバーを使いますか?
本屋さんでつけてもらえるものからお手製のものまで、ブックカバーにもいろいろありますよね。
今回のテーマに選ぶくらいですから皆さんお気付きかとは思いますが、私はブックカバーが大好きです。
小学生のころからお気に入りのブックカバーを使っていました。
ブックカバーを使いたいがために読書をしています(さすがに言い過ぎました)。
現在も新書サイズ用、文庫サイズ用、四六判(単行本)サイズ用と3種類のブックカバーを使っています。

私の現在の愛用品は、イタリア製の革を使ったもの。さすがイタリア製だけあって発色も良く、そして革だけに使い込むほどに味が出てきます。
新書版のカバーはオレンジ色。5年以上使っていますが、少しずつ飴色になってきて、今は明るくも落ち着いたブラウン色になっています。
文庫版のカバーはイエロー色で使用期間は3年ほど。こちらも少しずつコクが出てきて、イエロー色というよりキャメル色になってきました。
そして最近、単行本版のカバーとしてベージュ色が愛用品に仲間入り。これからどのように色が変化し、手に馴染んでいくのか(本の中身よりも?)楽しみです。

色の変化ということでいえば、父親が使用しているブックカバーにはびっくりしました。
数年前、読書が好きな父親にも私の愛用品と同じブックカバーのオリーブ色をプレゼントしたのです。新品の時はオリーブ色というか渋めのグリーン色だったので「ちょっと地味かな」と思ったものの、「父親が使うものだし、まあいいか」と。
ところが最近、父親が使っているブックカバーを見たら、オリーブはすっかり完熟オリーブになっていました。

私の最近は量より質。そして気に入ったものを長く使うことに喜びを覚えます。
使い込むことによって手に馴染む、体に馴染む、その感覚が気持ち良いのです。
同じ理由でちょっとだけこだわりのあるレザージャケットやデニムについてはまたの機会に。

今朝のお供、
中島みゆきの曲「時代」。

                                   (佐々木 大輔)