アーカイブ:2011年2月

本屋さん

最近、コーヒーミルを買い換えました。
今まで使っていたものよりコーヒーが美味しく出来るようになって、幸せな安らぎのひとときを過ごしています。以前のブログ(No.23)でも書きましたが、私は、自分で挽いた豆をハンドドリップで淹れるのが好きなのです。

お店で飲むコーヒーも好きで、素敵なカフェを見つけると、思わず吸い込まれるように入ってしまいますが、それ以上に強い吸引力を感じるのは本屋さんです。もはや抗(あらが)えません。
ちょっと空き時間ができると本屋さんを探してキョロキョロしてしまいますし、友人との待ち合わせに本屋さんを利用することもよくあります。本選びに夢中になりすぎて、友人から声をかけづらいとの苦情はありますが・・・気にしません。
本を選ぶとき、あらすじを参考にすることはもちろんですが、美しい装丁に目を奪われ、「ジャケ買い(装丁で本の内容が好みかどうか見当をつけて購入)」することもしばしば。
他にも、手にしたときのしっくり感、本を開いたときの匂い、紙質と文字配列の妙などに惹かれ、ストーリーの予備知識なしに選ぶことも楽しみのひとつです。
海外の書籍など入手しにくいものは、インターネットで購入しますが、それ以外はなるべく街の本屋さんで買うことにしています。とにかく、本屋さんという空間が好きで好きでたまらないのです。
大学生の頃は、毎日近所の本屋さんに通い、年間300冊ほどの本を読んでいました。部屋に本棚が2つ3つと増えていき、部屋自体が本屋さんのようになっていったことを喜んだものです。

ところが最近は電子書籍が隆盛で、先日もアメリカで大手の書店が破産法申請をしたとのニュースを見ました。
正直に言うと、私も利便性という点においては、電子書籍に魅力を感じています。
また、紙を使わないので環境に優しいことは事実でしょう。場所もとらない。さらには電子書籍ならではの試みとして、小説を映像や音楽と融合させることも行われているようです(私は必要性を感じませんが)。

当事務所には、最新刊を中心として3000冊以上の法律専門書が本棚に並んでいます。
一冊一冊、スタッフの勉強の跡が残った書籍です。
この3000冊の他に、所長が学生時代に使い込んだ法律専門書も数多くあります。
もしもこれらの書籍が、すべて電子書籍になったら?
空っぽの本棚にiPadやキンドルがぽつんとひとつ。用は足せても・・・何だか味気ないですよね。

私は、ハンドドリップで淹れたコーヒーを片手に、紙の手触りを楽しみながらページをめくり、新しい知識の世界へといざなわれるのです。

 

今朝のお供、
桑田佳祐の『MUSICMAN』。
あなたがビートルズによって「胸が張り裂けた」ように、私は小学生の頃、あなたの音楽で胸が張り裂けたのです。

 

(佐々木 大輔)