アーカイブ:2010年4月

やさしい言葉で

こんにちは。田口司法事務所です。
秋田市でもようやく桜の開花宣言が出されました。
今年は、暖かくなったと思ったら小雪がちらついたりと、天候が安定せず、桜まつり実行委員の皆さんもさぞかし気をもんだことと思います。
今週は桜が楽しめるといいですね。

先日、大村敦志著『基本民法』という本(シリーズ)を再読しました。
いわゆる法律の専門書で、東京大学の教授が書いている本です。
私が在籍していた、東北大学法科大学院の指定教科書でもありました。
講義を想定して書かれた本であるため、語り口も柔らかく、専門書でありながら、とても読みやすく書かれています。
その一方、タイトルに“基本”と付いているものの、書かれている内容は高度で、学説の変化から最新の議論まで盛り込まれています。
そのため、簡潔な文章に導かれて、法律理論を体系的に理解することができるのです。

読みながら思ったのは、「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく」という、先日亡くなった井上ひさしの言葉です。

法律用語は、とかく難解でとっつきにくいもの。
私たちも業務を行ううえで、氏の言葉を肝に銘じ、分かりやすい説明を心がけていきます。

 

(佐々木 大輔)

物語のつづき

こんにちは。田口司法事務所です。

村上春樹の新作、『1Q84 BOOK3』が発売されましたね。
さっそく私も買いました。読む時間が出来るのを楽しみに待ちたいと思います。

村上春樹の小説は全て読んできましたが、読むたびに好きな作品は変わります。
今なら『ダンス・ダンス・ダンス』や「蜂蜜パイ」(『神の子どもたちはみな踊る』収録)でしょうか。
ラストに明るい希望があるからかもしれません。
村上春樹には外国人のファンも多いため、私は外国人とコミュニケーションをとる際、共通の話題として重宝しました。
イギリス人の知人が言うには、日本人の作家でありながら日本をあまり感じさせないため、小説の世界に入りやすいとのこと。
たとえば小説の舞台が「東京」であっても、東京である必然性はなく、「ニューヨーク」や「ロンドン」など読む人それぞれにとって身近な都市と置き換えても、違和感なく読めるというのです。
なるほど!たしかに。
村上春樹の特徴のひとつは、物事や事象を記号化して(つまり交換可能なものとして)表現していることにあるのかもしれません。

また、大江健三郎は、
「優れた芸術家・小説家とは、新しい表現のかたちを持っていて、
私たちは彼に与えられたかたちを見て、自分の生きている
世界とはこういうものかと、あらためて理解することがある」
と言っています。

村上春樹の小説を通して見ると、皆さんの日常がすっきりと、そして鮮やかに見えてくるかもしれませんね。

通勤のお供、
MUSE(イギリスのバンド)の『THE RESISTANCE』。
こちらもジョージ・オーウェル著『1984年』をモチーフとした音楽です。

 

(佐々木 大輔)

Special thanks to …

こんにちは。田口司法事務所です。

前回のブログでは、出会いと別れについて書きましたが、今回もそれにまつわるお話を。
私事ですが、仙台に住んでいた時、懇意にしてくださった方が、この度松山へ転勤されました。
その方の博識さには、いつも驚かされるばかりでしたが、
どのような話題でも人を惹きつけることができるのは、話し上手なこともさることながら、本当にその話題に愛情をもっていることが、好感として相手に伝わるからだと思います。
さらに、尊敬していることは、どんなときでも考え方が公平なこと。
自分と違う立場の意見をしっかり受け止めることができるということです。
なかなかできることではないと思います。
きっとそれは、本当の意味で強い人だからでしょう。
自分に自信がないと、自分を守ることに精一杯で、違う立場の意見に耳を傾ける余裕はないものです。
私も見習わなければなりません。
そして、そのような姿勢こそが、他人の立場を思いやる本物のやさしさなのだと思います。

人との出会いによって学ぶことは、本当にたくさんあります。
私も、縁あって田口司法事務所に勤務することになってから、もうすぐ1年になります。
所長を始めとして、親切なスタッフに優しく育ててもらっています。
指導してくれる人が身近にいることの幸せを感じる毎日です。
お世話になっている方たちに恩返しをするとともに、
よりいっそう依頼人の皆様のお力になれるようがんばります。

今朝の通勤のお供、
サイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」。
大切な思い出です。

 

(佐々木 大輔)