1 会社合併(M&A)

(当事務所の取扱業務)

① 会社合併登記申請の代理
会社合併登記申請手続事務の相談

② 会社合併契約書等各種文案書類の作成代理
各種文案書類作成の相談

③ 許認可手続書類の作成代理・提出手続代理
許認可手続書類作成の相談

④ 登記に関する審査請求手続(不服申立手続)についての代理

(目次)

(1) M&A(企業の合併や買収)の意義

(2) 会社合併の意義

(3) 会社合併の種類

(4) 会社合併の方法

(5) 会社合併の法的効果

(6) 会社合併のメリット

(7) 会社合併の可否(疑問点)

(1) M&A(企業の合併と買収)の意義
会社が、「① 事業再生の手法としたり」、「② 財務内容を改善し競争力を高めたり」、「③ 関連分野の技術を獲得してより安定した経営をする」には、さまざまな方法があります。

・その代表的なものが、下記の方法です。

① 会社合併

② 会社分割

③ 株式交換・株式移転

④ 事業譲渡


(2) 会社合併の意義
会社合併とは、2つ以上の会社が会社間の契約(合併契約)によって、一方の会社に合体することです。


(3) 会社合併の種類
会社合併には、「吸収合併」と「新設合併」とがあります。

① 吸収合併
合併当事会社の一つを存続会社とし、消滅会社はその権利・義務を存続会社に承継させて解散する方式の合併のことです。

② 新設合併
合併当事会社は全て解散して消滅し、これと同時に新たな会社を設立して、消滅会社の権利義務の全部を新設会社に承継させる合併のことです。


(4) 会社合併の方法

① 普通合併
各当事会社の株主総会の特別決議によって、合併契約の承認を受けなければなりません。

* 特別決議とは
「総株主の議決権の過半数の株主」又は「定款に定める議決権を有する株主」が出席し、その議決権の3分の2以上の賛成を必要とする株主総会の決議のことです。

② 簡易合併
存続会社は、取締役会の承認があれば、株主総会の決議が不要な場合の合併のことです。

・ただし、消滅会社は、株主総会の特別決議が必要です。
(理由)
存続会社と比較して消滅会社の規模が小さく、存続会社の株主に及ぼす影響が軽微なためです。

③ 略式合併
被支配会社の株主総会の承認決議を省略できます。
(理由)
吸収当事会社の一方が、他方の当事会社を支配している場合には、被支配会社の株主総会を開催しても、承認されることは明らかなためです。

* 被支配会社が、消滅会社でも存続会社でも可能です。


(5) 会社合併の法的効果

① 会社が合併すると、消滅会社は解散します。新設合併の場合は新設会社が設立されます。

② 消滅会社の権利義務は、清算手続を経ることなく包括的に存続会社又は新設会社に移転します。

* 権利移転の対抗要件
対抗要件を必要とするものについては、その手続(例:登記・登録・占有の移転)が必要です。

③ 消滅会社の株主の権利

(ⅰ) 新設合併の場合
合併により、消滅会社の株主は、新設会社の株主となります。

(ⅱ) 吸収合併の場合
存続会社の株式以外の金銭その他の財産が、消滅会社の株主に交付されたときを除き、消滅会社の株主が存続会社の株主となります。


(6) 会社合併のメリット

① 財政状況が良好な会社との合併により、会社の運営資金(現金)が潤沢になることにより、前向きの仕事に集中できます。

② 資本力の増強や、技術力の向上が期待できるので、競争力が増します。

③ 引継資産の償却が可能なので、節税効果を得られます。


(7) 会社合併の可否(疑問点:債務超過会社との合併は可能か?)

① 資本欠損」あるいは「債務超過状態にある会社」を消滅会社とする会社合併も可能です

② 実質債務超過会社との合併も可能です

* 実質債務超過会社の意味
「財産の評価やのれんの計上」によって資産評価を行ったとしても、債務超過となる会社のことです。

③ 破産会社等との合併
破産手続中の会社との合併は不可能です。

④ 清算中の会社との合併
清算中の会社を消滅会社とする合併のみ可能です。

⑤ 民事再生・会社更生手続中の会社との合併
民事再生法・会社更生法の規定に従ってのみ、合併が可能です。