4 内容証明書

(当事務所の取扱業務)

① 内容証明書の作成代理

② 提出手続代行

③ 内容証明書作成の相談

(目次)

(1) 内容証明書の意義

(2) 内容証明の効果

(3) 内容証明を利用したほうが良い場合

(4) 内容証明を利用しないほうが良い場合

(5) 内容証明の当事者

(6) 内容証明の形式

(7) 内容証明の書き方

(8) 電子内容証明サービス

(1) 内容証明書の意義
内容証明書とは、郵便法によって定められている制度により、発送される特殊な郵便(当該郵便物の内容たる文書の内容を証明するもの)のことです。正式には「内容証明郵便」といいます。


(2) 内容証明の効果
内容証明は、郵便物である「文書の内容・差出人と相手方・差出日」が公的に証明されます。

・そこで、「提訴前の催告」や「提訴の予告」として利用されるのが一般的です。

・しかし、その他は特別の法的効果はなく、普通の郵便物と何ら変わりはありません。


(3) 内容証明を利用した方がよい場合

ア 意思表示が重要な法律効果を生じる場合
内容証明が、利用されるもっとも主要な場合は、意思表示等によって何らかの法的効果が生じる場合です。

・その意思表示がなされたかどうかにつき争いとなることがあるので、内容証明を利用することにより、証拠とすることができます。
(事例)

① 建物賃貸借において、当事者が一定期間内に相手方に対して更新しない旨の通知をしないときは、賃貸借は更新されたものとみなされます。

② 売買予約をしている場合は、予約完結の意思表示しなければ本契約が成立しません。

イ 通知等の時期が重要な意味を持つ場合
意思表示や通知は、それをなした日付が重要な意味を持ちます。
(事例)

① 株主総会の招集通知は、原則として会日の2週間前に発しなければなりません。

② クーリングオフ(申込みの撤回又は解除)は、一定の書面を受けた日から8日以内に発しなければなりません。

ウ 通知等に書面が要求される場合
意思表示や通知は、口頭でもかまわないのですが、法が特に書面を要求している場合があります。また、紛争関係にある場合は、証拠を残す意味で、内容証明を利用するのがベターです。

エ 確定日付が特別な意味を持つ場合
ある文書が、その日に作成されたことが法律上証明される日付を「確定日付」といいます。
(事例)
債権譲渡における第三者対抗要件は、「確定日付ある通知・承諾」が必要です。

オ 時効中断としての権利を行使する場合
この場合、裁判上の証拠とするためにも、内容証明を利用することがベターです。

カ その他、内容証明を利用した方がよい場合
権利の行使ではなくとも、相手方の主張に対して反論したり、提案をするような場合は、差出人の明確な意思を表明する手段としても内容証明は有益な手段となります。


(4) 内容証明を利用しない方がよい場合
内容証明では、相手方が圧力をかけられたと受け取る場合もあるので、普通の手紙による方がよい場合もあります。


(5) 内容証明の当事者

① 差出人
個人・法人・法人格のない団体(例:町内会、同窓会)

② 受取人
個人・法人・法人格のない団体(例:町内会、同窓会)


(6) 内容証明の方式
内容証明の取扱方式は、日本郵政公社の内国郵便約款に定められています。

ア 文書の形式
(字数)

① 横書きの場合
「1行:13字以内・1枚:40行以内」又は「1行:26字以内・1枚:20行以内」

② 縦書きの場合
「1行:20字以内、1枚:26行以内」
(書面が2枚以上の場合)
綴目に差出人の契印を押さなければなりません。
(文字の訂正、挿入、削除)
その字数及び箇所を欄外又は末尾の余白に記載し、押印しなければなりません。

イ 提出方法等

① 提出先
内容証明の提出先は、郵便局です。

② 通数
「差出人1人・相手方1人」の場合の通数は3通(郵便局で証明を受ける差出人の控え分1通・相手方分1通・郵便局の控え分1通)です。

ウ 配達証明
内容証明は、「その文書が差し出されたこと」及び 「差し出された時期の証明」になります。しかし、郵便物が「相手方に配達されたこと」や「相手方に配達された時期」の証明はできません。

・そこで、内容証明を提出する際に、配達証明を請求しておくことが大切です。

エ 謄本の閲覧等
内容証明の保存期間は、5年間です。そこで、差出人は、5年間に限り、「郵便物受領証を提示」して、差出郵便局に対し謄本の閲覧を請求できます。

・郵便局長の証明文言のある謄本を紛失したりした場合は、上記期間内であれば、「郵便物受領証を提示」して、差出郵便局で、謄本を提出して「郵便局長名による証明文言」を記載してもらうことができます。

・配達証明として出した郵便物については、差出日から1年内に限り、郵便物受領証を提出して、再度、配達証明を請求することができます。

オ 料金
内容証明の料金(平成26年4月1日以降)

① 書面1枚  :金430円(書面が枚増えるごとに金260円)

② 普通郵便料金(25gまで):金82円

③ 書留料金 :金430円

④ 配達証明料金 :310円

⑤ 速達料金(250グラムまで):金280円

* よって、「書面が2枚・重さ25グラムまでの場合の内容証明の料金は、①+②+③+④+⑤=金1,710円となります。


(7) 内容証明の書き方

ア 用紙等
用紙は法定されてはいません。使用する用紙の種類や大きさも自由です。

・B4判、A4判、B5判程度の一般的用紙を使用するのが一般的です。

イ 表題
文書に表題を付ける必要はありません。

・しかし、文書の内容により、表題に「通知書」、「催告書」、「回答書」、「申入書」などの表題を付けた方が趣旨が明確になります。

ウ 前文
一般の手紙のように、「拝啓」、「前略」などの頭語を書くか書かないかは、相手方との関係や事案の内容により判断したほうがよいでしょう。

エ 本文
本文については、下記のことに留意して作成したほうがよいです。

① 簡潔な文章にすること。

② 明確な分かり易い文章にすること。

③ どの程度の強い調子で書くかは内容により判断すること。

④ 感情論を抑え、冷静な表現をすること。

オ 末尾等
「敬具」、「草々」といった結語は、不要です。

カ 当事者の表示等

① 日付の記載
実際の差出日は、郵便局が受付の際に記載するので、内容証明の後付として、記載する日付にはあまり意味はありません。

② 当事者の表示
差出人と受取人の住所・氏名

③ 代理人として対処する場合
本人を表示した上で「代理人」の名前で提出する。


(8) 電子内容証明サービス

ア 電子証明サービスの概要
平成13年2月1日から、内容証明について新しいサービスとして「電子証明サービス(以下、「e内容証明」という。)が始まりました。
(「e内容証明」の意義)
「e内容証明」とは、郵便局が、内容証明郵便を電子化して、インターネットを通じて、24時間受付を行うサービスのことです。

* なお、これまでの内容証明の手続は、従来どおり利用できます。

イ 利用者登録
「e内容証明」を利用するには、利用者登録をして「利用者ID」を取得しなければなりません。

* 利用料金の支払方法により登録作業が異なりますが、いずれも、「電子内容証明郵便サービス」ホームページによって行います。
(支払方法)

① クレジットカードを用いた支払方法

② 料金後納による支払方法

ウ 文書の作成方法

① アプリケーションソフトは、下記の2つです。

(ⅰ)「Mⅰcrosoft Word97/98/2000」

(ⅱ)「Just System一太郎Ver8/9/10」

② 文字ポイントサイズ
10.5ポイント以上、450ポイント以下です。

③ 用紙と字の配列
「A4用紙の縦置き・横書き」又は「A4用紙の横置き・縦書き」のいずれかです。

④ 最終ページの文末の後の余白
郵便局において、「差出人、受取人の住所・氏名(ただし、挿入の指定があった場合のみ)」・「証明文」が記載され、受付日付印が押されます。

エ 差出人・受取人への配達
郵便局において、「受取人宛の原本郵便物・差出人宛の謄本郵便物」を作成し、これを専用の封筒に封函し、「受取人宛のものは書留郵便物・差出人宛のものは配達記録郵便」として発送・配達されます。

オ 用途に合わせた差出方法
複数の受取人がいる場合は、各受取人ごとに「速達」、「配達証明」、「親展」を指定することができます。

カ 料金
e内容証明の料金体系は、下記のとおりです。

基本料金

82円

電子郵便料金

 

 

電子内容証明文書1枚目

15円

 

電子内容証明文書2枚目以降

5円

内容証明料金

 

 

電子内容証明文書1枚目

375円

 

電子内容証明文書2枚目以降

353円

 

同文内容証明 ※1

 

 

(2通目以降)

 

 

電子内容証明文書1枚目

206円

 

電子内容証明文書2枚目以降

206円

謄本送付料金

 

 

通常送付 ※2 

298円

 

一括送付 ※2

494円

一般書留料金

430円

配達証明料金

310円

速達料金

280円

詳しくは、ホームページ(郵便局の「e内容証明の料金体系」)をご覧ください。